9人のナイトに愛された天使たち－4章－ (ページ1)

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新しい門出　（人6）side ページ1

クリスマスイブの成田空港…

クリスマス&年末年始を海外で過ごす人達で結構混んでいる。

親からも

亜美母「お正月すぎてから出発すればいいんじゃないの？」って散々言われたけど、早く現地について少し観光がしたくて…

私の留学先は短期留学を実施しているカリフォルニア州立大学サンマルコス校

そこで１年間、薬学の勉強をさせてもらう。

本当は阿部さんと同じチャップマン大学薬学部を狙いたかったのだが、到底かなう訳もなく…

でも語学と薬学を同時に勉強するなんて、ついていけるのかとかなり不安は残るけど、自分で決めた事だから１年間は精一杯頑張りたい。

そして同じカリフォルニア州に阿部さんがいるという事で、どこかでバッタリ会えるかも？なんて、やや不純な動機も抱えながら出発ターミナルへ…

すると後ろから聞き覚えのある声が、

RY「お姫様、その荷物お持ちしましょうか？」

振り返ると渡辺さんと舘さん。

「どうしたんですか？」

SW「Aから頼まれたんだよ。自分がいけない分、見送ってきてッて…
自分はデートなのに、俺たちをこき使ってさっ(笑)」

RY「どうしてもディナーの時間をずらせなかったみたいで、、、かなり申し訳なさそうにしてたから許してあげて…」

「すみません、空港まで…」

Aちゃんの心遣いだとしても、なんだか申し訳なくって頭を下げた。

SW「いやいや、俺たちもせっかく仲良くなれた亜美ちゃんが１年もいないなんて、正直寂しいんだよ。なぁ～、涼太…」

RY「もちろんそうだけど、ほんとはAちゃんが一番寂しがってたよ。４月からは俺たちもいないしねっ…」

「でもAちゃんの周りにはいつも誰かしら集まってて、楽しそうですよ、私なんかがいなくても・・・」

SW「でも心を許して付き合えている友達がいるかは、見ただけじゃわかんないじゃん…」

RY「それだけ亜美ちゃんの事を信頼してるってことだよ。」

渡辺さんや舘さんの言葉を聞いて、胸がギュっと締め付けられる思いがした。

あの時の動機は不純だったけど、勇気を出してAちゃんに声をかけてよかったと心から思った瞬間だった。

そして出発ゲートへと向かう私に、

RY「気を付けて…いってきてね。１年後にまた迎えに来るよ。」

SW「奇跡の出会い…あるといいなっ。あとこれ、Aからの手紙…飛行機に乗って読んでほしいって言ってたよ。」

「ありがとうございます。私、精一杯頑張ってきますね！」そう言ってもう一度頭を下げた。