＊88＊ シウォン ページ9
〜 Ｙｏｕ side 〜
ヒョクのオーディションの次の日。
きっともう結果は出てるはず。
どうだったんだろう？
気にはなるけど、なかなか連絡取りづらくて…
そんな矢先、ヒョク本人からメールが、
『A、俺、チャンスを掴んだよ！
詳しい話は着いてから話すよ。
今から搭乗するのでしばらく連絡は取れないと思う。
ただ帰ってきたら一番にAに会いたいって、そう思ってるから…』
嬉しい反面、ヒョクに答えを伝えないといけないプレッシャーが…
傷つけない言い方なんてきっとない。
わかってるけど、それを必死で考えてる私がいた。
〜 ＥＨ side 〜
到着時刻はちゃんと連絡した。
果たしてAは待っててくれるだろうか？
到着ロビーへ出る自動ドアの前で大きく深呼吸。
一歩踏み出し、周りを見渡すと…一番左にAの姿が…
俺の姿を見つけて軽く手を上げてくれた。
EH『A…来てくれたんだ(^^;;』
A『うん。おめでとうって直接いいたかったし…』
EH『ありがとう(*^^*) 来てくれて嬉しいよ。』
喜んだのも束の間、Aの言葉はこれで終わらなかった。
A『それに、あの時の返事もちゃんとしなきゃいけないし…』
そう言ったAの顔が一瞬で曇る…
いいことってそう続かないものだと、心から思った。
〜 Ｙｏｕ side 〜
ここに私が来ることで変にヒョクが期待するんじゃないかって、そう思うと、ギリギリまでここに来ることを迷った私。
でも、ヒョクの新しい門出はちゃんとお祝いしたかった。
案の定、私がいたことでヒョクの満面の笑みを見ることが出来た。
けど、
A『それに、あの時の返事もちゃんとしなきゃいけないし…』
この一言でその笑顔が消え去ってしまった。
EH『そうだよねっ。少しゆっくり話せるところに移動しようかっ？』
それでも無理して笑おうとするヒョクに私は涙を堪えるのに必死だった。
〜 ＥＨ side 〜
空港内にあるレストラン。
メニューで顔を隠す。
この泣きそうな表情をAに絶対に悟られないように…
わざと声色は明るめに…
EH『今日は俺への餞別という事で、Aに奢ってもらおうかな？』
そんな冗談をいいながら…
A『いいよ。それでヒョクが笑ってくれるなら…』
今、Aが発する言葉は全てが悲しく聞こえて仕方なかった。
EH『A、俺なら大丈夫だよ。例えどんな返事でも、ちゃんと笑える。
だってその答えは、Aが一生懸命に考えた答えだろっ？』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 29人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミッキーママ
| 作成日時：2015年2月19日 16時
