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明るく照らされた照明器具の下
カメラに向かって手のひらを差し出しながら
「こんな感じのテクスチャで、伸びもいいし
毛穴もしっかりカバーしてくれるから、おすすめですよ♪」
と今日も自身が監修したコスメの紹介をしていく。
趣味程度に始めたSNSだったけど
今はこれが本業になるとはね。
『すれ違うのが嫌だから、Aは家にいてよ』
そう優しい旦那様の仮面を被ったあいつは言った。
だけど違う
本音は、私を閉じ込めておきたいだけの自己中心野郎。
縁が切れて清々している。
あの悪魔との子供を授からなくてよかった。
あの時大好きなメイクアップアシスタントを続けていたら？
今頃どんな未来が…
あの時彼を手放さなければ…
って、ダメダメ。
これは考えない約束。
「Aさん、お疲れ様です。
これ明日アップでしたよね？」
「うん、そうなの。ごめんね？急かすけど」
「いえいえ！まだ午前中ですし、そんなに長くないですし。編集すぐ差し掛かりますね！」
アシスタントのルディアは、仕事が早くて助かる。
ボーナスはずまないとね。
「あ！そういえば、イムさんからお電話入ってました。
折り返すと伝えてあります！」
「了解！」
自分の好きな時に休めるからって本業にしたわけだけど
有難いことに沢山の応援と反響をもらって。
忙しくさせてもらってるんだけど…
『うちのブランドとコラボしませんか？』
なんてさらにありがたいお話を
韓国コスメ界のトップから頂いた今日
益々忙しくなりそうな気配に、嬉しくもあり
今の私なら、あの時の彼の選択
理解できるかもな。って
8年経っても消えない記憶に思いを馳せる。
「ぜひ、よろしくお願いいたします！」
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作者名：micky!!
| 作成日時：2023年6月20日 2時
