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「ユノ、今日から入ったメイクさんなんだけど、
私について勉強するから、ちょこまか動き回るかもだけどごめんね。」
次の日のドラマ撮影で、
僕にそういったメイクのお姉さん。
10年前、Aに出会った時もそうだったなぁって
昨日も夢を見たから尚更強く思い出した。
唯一違う点は、その新人さんが男性ってことくらい。
最近は職業に性別は関係ないし、
男性メイクアップアーティストも多い。
すごい腕前の人だって沢山…
「ユノさんの現場に立ち会えるなんて、
僕本当に大ファンです！！憧れです！」
って興奮気味に話す若者に
クスッと笑えた。
「ふふ、ありがとう(笑)
でも…憧れなら、なんで歌手じゃなくてメイクなの？」
にこやかに問うと
その男の子は緊張した面持ちで
「アーティストの皆さんを僕のメイクで更に輝かせたいからです！」
と、自信満々に答えた。
いい子だな…
「いい子でしょ。自主勉強もしっかりしてるしね。
空き時間にはスマホでメイクアップの動画を見たりしててね」
メイクアップのお姉さんはそう言って
その子に目をやる。
「はい！少しでも勉強したいので。」
「普段誰の動画を見てるの？」
「そうですね…」
その男の子は、おもむろにスマホを取り出して、
動画アプリを立ち上げる。
「元メイクアップアシスタントのAって人の動画が、凄く参考になるんですよ！！
このチャンネルが登録者数すごくて。セミナーとかもやってるんです。1度行ってみたくて」
その子がみせてくれた画面
そこで約8年振りに再会を果たした。
こんな形で再会するとは…
「え！Aって、昔仕事したよね？
ね、ユノ！」
メイクのお姉さんは何も知らない。
そうだよ、あのAだ。
少し雰囲気が変わったかな？
ニコニコ笑顔で、スマホ越しに笑ってるAをみて
胸が熱くなる。
「そうだね、仕事したね。10年前かな？」
10年前。
僕と出会ったんだよね。
「やっぱり！！！へー今はなにしてるの？元メイクアップアシスタントで…？」
「今は、インフルエンサーとして主にSNSとかで活動していらっしゃるんですけど、
フォロワーが100万人超えで、イベントとかもされてますよ！一緒にお仕事されたことあるんですね！！
やっぱりさすがユノさん！」
そっか。
こんな形で近況を知ることになるとは。
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作者名：micky!!
| 作成日時：2023年6月20日 2時
