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「あははっ！可愛すぎる〜。後で写真見せてね♪」
部屋を覗くと、楽しそうに笑ってるAと
チャンミンが見えた。
動画では耳の下で切りそろえられてストンと下ろされていた髪が
今日は緩くウェーブかかっていて。
うん。可愛い。
変わっていない。
「あ、鼻筋にはこのパウダーのせてください！
チャンミンさんはお鼻高いけど、高くない方でもこれのせれば結構高く見えるから…」
Aがスタッフに話しかけると
皆一斉にメモを取りだして。
Aがどのようにこのパウダーを使うのか
目に焼き付けようと皆が鏡を覗き込んだり、チャンミンを覗き込んだりして
凄いね。
常に努力し続けるAのその姿は
こうして成功した今でも
とても美しい。
こういう所に惹かれたんだったなぁと、思い出す。
鏡を見たAが、僕を捉えた。
こんなところで突っ立って
見つめられてたら驚くよな。
少し動きが止まったと思ったら
すぐにニコッと、笑顔になって僕に手を振った。
反則でしょ。
分かってたけど、自分で。
僕はまだAに未練があって
愛してるって分かってたけど。
これで確信に変わってしまった。
僕はきっとこれから先
どんな女性とお付き合いしたって
Aを忘れることは出来ないんだろうな・・・
まさか微笑んでくれるとは思ってなかったから
僕も、口角を上げて手を振り返したけど。
上手く笑えていたかな・・・？
「ユノ！久しぶりだね。撮影、間に合ってよかった。」
Aの言葉を聞いてチャンミンも鏡越しに
僕の姿を確認して、ひらりと手を振った。
スタッフさんがチャンミンの横に椅子を用意してくれたから。
震えてるんじゃない？ってくらい感覚がない足を、1歩ずつ踏み出して。
力が入りにくいけど、変な歩き方にならないように気をつけながら進む。
ダサいな、僕。
大丈夫？変じゃない？
「久しぶり。元気そう」
「うん・・・元気だよ」
会話が続かない。どうしよう。
なにか続けないと…
「リップどうするの？何番？？」
動画みたよ、って伝えたかった。
すごいよって。伝えたかったけど。
そうだ、今は仕事中。
話せる機会があれば、言おう。
アシスタントらしき女の子が、資料片手にAと話してる。
その姿を見てなんだか、勝手に誇らしくなってしまった。
Aが努力した結果なのに、図々しいけど。
頑張ってた昔の姿を知っているから。
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作者名：micky!!
| 作成日時：2023年6月20日 2時
