Stare at only you2 (ページ8)

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秘書課8 ページ8

「ドンへ、今の人って元カノ？」

Aの突然の質問に驚いてAを見つめるドンへ

「えっ…」

「やっぱり…ドンへの顔と声ですぐにわかった」

「あ、あぁ…」

「可愛い人ね、子供も可愛いかった」

「……ん…」

気まずいのか返事を濁すドンへ

しばらく風の音を聞いている

(私にもキュヒョンとの過去がある様にドンへにも当然過去があるのよね)

Aはヤキモチではなく事実を受け入れようと思った。

周りを見ると親子連れが多い

(私にもあんな風に子供を連れてこの公園に来る日がくるのかな…それって私の隣りにいるのはドンへなのかしら…)

一人では答えの出ない事を考えていると

「A？機嫌悪くした？」

「えっ？どうして？」

「いや…さっきの…」

ドンへは元カノの事でAが黙りこんでいると思ったらしい

「フフッ…違うわ。ドンへにも私にもお互い知らない過去があるもの。変えられない過去にヤキモチ焼いても仕方ないわ」

「ん……そうだね。過去の全部を知った所で何にもならないな…」

「さぁ…ドンへ、お弁当食べましょう」

「うん」

お弁当を食べ終わると西の空を見上げるドンへ

「なんかあの雲ヤバそう…」

「本当ね…」

と言った時に雷の音がする

「やっぱり、降ってくるな…A片付けよう」

「うん」

２人で片付け終わりかけた時にポツポツと大きな雨粒が降り始め、稲光が走った

「木の下はまずいから車に戻ろう」

ドンへがAの手を取ると駐車場に向けて大粒の雨が降る中走り出した。

「早く中に！」

「でも、シートが濡れちゃう…」

「いいから早く！」
とドンへが言った時また稲光が走りすぐに大きな雷の音がする

「キャーッ」と慌て車に乗り込んだA

窓の外は何も見えないほど雨が叩きつけている

「ヒドイな…」
と呟いたドンへがAを見ると両手で耳を抑え下を向いている

「A…？」

「……苦手…なの、雷…」

Aの言葉にドンへは助手席のAを抱きしめる

「ド…ンヘ…」

「こうしてれば、怖くないよ」
と近づく唇

外は激しく降る雨と雷が鳴っている車の中で、優しく甘いドンへのキスで雷の怖さを忘れたAだった