金木犀―3― (ページ9)

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9　ダメじゃんページ9

会計は男性陣のお金をまとめて翔君がしに行ってくれたみたいで

翔君以外はみんな外で待った

その間も相変わらず肩を抱いてきてる俺かっこいい男

カッコ悪くはないけど口から出てくるのが自分の自慢話ばっかりで…

つまんない

翔君が誰かと話しながらお店から出てきた

暗くて顔が良く見えない

?「ちょっとごめん、この子借りますね」

男「え？」

「え？」

そういってその誰かに手を掴まれて

皆とは逆の方に歩いていく

この背丈と後ろ姿は…

「もしかして友也?」

友「何？今ごろ気が付いたの(笑)?」

前を向きながらそのまま私の手を引いていく

友「俺かなり常連なんだよ。あそこの一階のバーの」

そうなんだ。

ひかれた手を見るとやっぱり男の人の手って大きいんだなあって思う

そういえばギョンスの時もそうだった

ギョンスは多分男の人からしたら小柄な方なんだけど

指が長く、しっかりした優しい手をしてたっけな…

あ、また思い出しちゃった…

今日合コンに出てみて正直ちょっとは紛れるかもと思ってたけどダメだったね

ギョンスといた時が一番笑ってた気がする

自分らしくいられてた気がする

はぁ…

全然だめじゃん

いい加減忘れてよ…

大学の時、友達のカナが元彼が忘れられないって泣きついてきたときがあったっけな

その時私なんて言ったっけ

はっきり覚えてないけど、早く忘れなさい的な事言ってた気がする

自分は忘れられてないのにね

何か月たってもこうやって思い出してるのにね

バフッ

「うわお！」

ぼっーっと歩いてたから前の友也にぶつかってしまった

そうだ今友也に手を引かれて歩いてたんだ

くるっと後ろを向いて友也が口を開く

友「はぁ…また泣いてんのか」

「え?」

気が付いたら頬に涙が流れていた

あぁ、だから視界がぼやけてたのか

「え、あ、いや光が当たったから」

って街灯のせいにする

友「…はいはい。よし、明日休みだし二人で二次会するぞ」

「え？」

そういって再び私の手をひいて歩き出した