金木犀―3― (ページ3)

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3　変化　友也ページ3

―友也

「おはよう、暖かくなってきたな」

A「あ、おはよう。そうだね。春っぽくなってきたね…」

やっぱり、あの日から彼女の様子がおかしい

――――12月

「少し観光するから一足先に韓国いくねー」

そういって一日前に飛行機に乗って行った彼女

次の日、俺が韓国についた時に空港まで来てくれたんだけど
その時から、少し様子が変だった

仕事になると全然気にならなかったし、取引も上手くいって気のせいかと思ってたんだけど…

全部の取引が終わった日、彼女は夜どこかへ出かけて行った

夜も遅かったし、連絡して1時間たってもこなかったから

心配になって探しに行こうとホテルから出たら彼女が帰って来た

友「あ、A！」

急いで目をこする彼女

「あー友也。どうしたの?」

元気のない笑顔

友「泣いてたの?」

「え？あ、ううん。あくびして…」

今にも泣きそうな顔して嘘つくなよ

友「…ちょっと今日付き合って」

確かここのホテルの地下はバーになってたはず

「え？ちょっとどこに?」

友「飲むぞ」

「えー…今日はちょっとそういう気分じゃない。」

友「この前の貸し、今日返せ」

この前韓国に来たとき、日本に帰ったら2人共疲れて結局そのまま帰った
こんな時に使うのは間違ってると思うけど、逆に今しかないとも思った

への口してる彼女の手を引いてバーに入る

友「ほら、飲め」

「ウーロン茶でいいよ…」

友「この前『次は絶対断らないから！』って言ったの誰だっけ?」

「飲めばいいんでしょ?先に言っとくけど、今日の私と飲んでも面白くないからね」

そういっていっぱい飲み干した
こんなやり方しかできない自分が情けない

友「で、どうしｔ…

彼女を見たら

抱きしめずにはいられなかった

泣いて帰ってこなかった人はいないと言われてる上司に怒られても

田中さんに嫌がらせされても(これは俺のせいだったけど…)

絶対に泣くことのなかった彼女の目から大粒の涙が次々にあふれてたんだ

俺の胸で声を殺して泣く彼女

抱きしめた手を強める

「だから…うぅ…っひ、一人で…いたかったのに…」

友「ごめん、ごめん…けど、今日は何も聞かないから泣け」

いつもの彼女からは想像できないくらい弱く感じた彼女を

抱きしめるしかできなかった

次の日になると彼女は泣いてたのも嘘みたいに普通に近い状態に戻ってた

「昨日のは忘れて、そして昨日はごめん。さ！帰ろうか！」

無理して笑うなよ

弱い所、俺に見せてくれていいから