リアリスト娘、悪役に代わる。

02. ページ3

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「…予想外」


ぜえひいと鉛のようになった足を動かし階段を上る。
こんなにもこの学校が広いとは思わなかった。

大学…。いやマンモス校かもしれない。


しかもこれだけ歩いたのに人っ子一人居やしない。
まだ出かけていた途中の満月がもう45度位まで出ていた。


まだ延々と続く階段に思わず呻き声が出る。

運動成績は下から数えた方が早い人間にこれはキツい。
早く人が居そうな所を探さねば。


薄暗い不気味な学校。


お化けとか出そう、と時々後ろを振り返る。

ちなみに怖いものは大好きである。
お化け屋敷とか高笑いをしすぎて出禁を食らった。


コツコツ、コツコツ。


自分一人の音しか響かない世界。
まるで別次元に迷い混んだかのような錯覚を覚えてしまう。


(まぁ、だとしたら)


とても面白いが。


適当な教室を覗くともう午後11時。
普段なら寝てる時間だ。

一つ欠伸を溢して廊下を曲がる。


少し歩くと中庭に続く玄関があった。

恐らく教室は回りきったし、別棟に行くべきだろう。


冷静さを失わぬように保ちながら中庭に出る。


ぐるり、と真ん中で回ると一つ明かりの灯った部屋が見えた。


…助かった。

また一つ一つ蝨み潰しに歩くにも辟易するし、これ以上は学校内で寝てしまいそうだ。

部屋が何処なのか大体把握しておく。


容赦無く襲いかかる眠気と闘いながら、別棟の中に吸い込まれるようにして歩んでいった。

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