運命の恋、拾われました.14

↓. ページ10

.







岩「＿＿＿＿ファンに楽しんでもらうには、まずは自分たちが楽しまないといけないって事だね」


「そうだよ〜！いくらライブで本人が見れたって、後半しんどそうな顔してたら逆に心配になっちゃうよ〜！」


岩「＿＿＿＿＿それ、俺の事だろ」


横からチョップが落ちてきた。でもちっとも痛くないやつ



「笑。ほら、今はワンオクのライブに集中！！同じ土俵で戦ってる戦友の勇姿を沢山拝んで、この綺麗な声に癒されよっ！」


『お前がタカの声、集中して聞きたいだけだろ』って肩に腕を回された
それにだんだんと力がこもってきて、

「ちょっと！もうそれラリアットの域だからっ！」


ギブアップの意味で回された腕を叩きながら剛典の方を向く

向いた瞬間に一瞬だけ触れるキス



岩「へへっ。周りにバレテないといいね」

わざとなのかハプニングなのか。どっちかは分からない発言(でも多分前者。そういう計算は瞬時にできる漢、それが剛典だから)


前後左右に人が居るのにも関わらず、そんな事してくるとか本当に胆が据わってる



.




「＿＿＿＿＿最近、気が緩み過ぎじゃない？」


岩「え？そう？？

なんだろ。＿＿＿＿＿もうすぐ結婚するからいいか、って思ってるのかも」



言うだけ言って、肩から腕をスっと離し私がいる側の腕で頬杖をついて急にライブに集中し始めた





＿＿＿＿＿＿『だから、結婚は病気が治らないとしないって言ってるじゃん』



そう言おとしたけど、私の話しなんて聞きたくない、みたいなそんな態度取られたら、、さ。


＿＿＿＿＿ダメなのに、嬉しい気持ちが前に出てきちゃって言えなくなる





.





岩「俺らも、、やってる側も同じ考えだよ。

ファンのみんなの喜ぶ顔が見たい。だから俺らはライブをやる。直接沢山のファンの顔が見れるからね。




＿＿＿＿＿でも俺らはまだまだ自分の思い描く理想と離れたこともやらされることだってある

ファンの期待に答えなきゃ。それがファンが望んでるんだから。って。



時々分からなくなるよ。自分は本当はどうしたいんだっけ？って思う時もある。


だからかな。ちょっとだけタカが羨ましいよ。


＿＿＿＿＿いい意味で自分に素直で、自分の夢だけをひたすらに追いかけられて。」




頬杖を付いた姿勢のまま、真っ直ぐにタカを見つめる剛典

見つめる、というよりもう睨んでるような、哀愁を含んだ表情の彼に、見惚れずにはいられなかった





.

↓.→←↓.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す