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タカが歌っている最中、私は顔を上げられなかった
こちらを見て歌ってくれるのは、この流れからして当然の事で全く不自然ではない
逆に私が下を向いている事の方が不自然だ
分かっているけど、目を合わせてはいけない気がしてタカの方を向くことが出来なかった
多分、それを分かってくれている剛典は、ぎゅっと私の手を強く握っていた
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岩「____コレはズルいよ、タカ。笑」
タ「っ、、ガンちゃんとAちゃん
______おめでとう」
『タバコ吸ってくる』とベランダへ出て行ったタカ。その背中がいつもライブで見ている彼のものとはあまりに違いすぎて、_____
剛典に握られていた手を離すと、とても悲しそうな顔をした剛典が私を見つめる
だから私は、、今度は私が彼の手をぎゅっと握った
友人「あいつ、調子悪いって言ってた割にめちゃくちゃいい声だったし。笑
そのくせタバコとか、ほんとバカだなぁ!笑
しょうがねぇ、止めてくるわ!」
周りで見ていた友人の一人がそう言って剛典と目を合わせて、お互いが頷いた。
多分この人は色々知っているんだろう。こういうさりげないフォローが出来るのは、さすが長く一緒に居た人達だなって思う
タカ______、。
この場でその歌は、聞きたくなかったよ.....。
彼のとっておきのラブソング______勿論それは私の大好きな『whenever you are』では、なかった
生で聞いたあの曲は、、こんなに切ない歌だったんだと初めて気づく
歌が切ないのか、歌っている人の声や感情がそう聞こえさせるのか.....
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岩「A、ほら、一緒にろうそく消そう?」
ぼーっと考え事をしていたら、いつの間にか握っていた彼の手が私の肩に回されていて
至近距離で顔を覗き込まれる
剛典もきっといろいろ考えてるだろう。______だからこそこのタイミングで皆に伝えたのかもしれない
私がどうこう出来る話じゃない。私より剛典の方がもっとずっと悩んでるに違いない
だったら私は、この手を、この人を信じて笑っていよう
この人に『大丈夫だよ』って言ってあげられるよう、この人を安心させてあげられるように、
この人にだけ腕を目いっぱい広げていよう
「うん!」
ろうそくの火は二人の息で一気に消えた。消えてから二人で顔を見合わせて笑い合った
そして私は久しぶりのお酒の力もあり、みんなが騒いでいる間に先に布団へ入った
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みちゅ(プロフ) - りのさん» ありがとうございます!月に一度!!作者より多い(笑)そんなに読み込んでもらえるなんて作り手冥利に尽きます。これからも更新頑張ります! (2018年9月18日 12時) (レス) id: 9bddc918db (このIDを非表示/違反報告)
みちゅ(プロフ) - みーゆーなーさん» お返事遅くなりました!こんな更新の遅いお話にそんな事言ってくださって嬉しい限りです。14章、公開させてもらいましたので是非!! (2018年9月18日 11時) (レス) id: 9bddc918db (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - 初めまして!月に一度は1章から読んでます^ ^14章も楽しみにしています♪ (2018年8月31日 17時) (レス) id: 2a50d2a929 (このIDを非表示/違反報告)
みーゆーなー(プロフ) - 初めてコメントします。いつもドキドキしながら読んでます!1日の終わりに読むこの時間が至福の時です♪14章も楽しみにしています! (2018年8月28日 23時) (レス) id: d7a3d0d082 (このIDを非表示/違反報告)
りー(プロフ) - みちゅさま コメントありがとうございました。すみませんでした。 (2018年8月10日 12時) (レス) id: 3c3903dd1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みちゅ | 作成日時:2018年7月13日 10時