運命の恋、拾われました.13

↓. ページ3

.







お互い、家で映画を見るのが好きだから。と少しだけこだわったスピーカーから流れてくる曲に、二人で聞き入った


＿＿＿＿＿＿正確には、声なんて出せなかった




今までのワンオクとは少し違う曲調から始まったアルバムを、私たちは何をすることもなく

ただじっとして、ずっと聞いていた。もう何も出来なかった




私は英語がそんなに得意なわけじゃないから、歌詞の意味は聞いているだけじゃ分からない

分からないけど、多少拾えるフレーズでどんな曲なのかは分かる


歌詞は後でゆっくり読み解こう。今はこのアルバムを丸ごと感じていたい





.





「＿＿＿＿＿はぁ」


曲が終わり、シンと静かになった部屋に大きなため息をついた

ため息が出る程のアルバムだ



剛典がスマホを触っている間も、私はしばらく余韻に浸っていた





「＿＿＿かっこいいね 岩「しっ！」


私が剛典に話しかけると、人差し指を唇に当てて真剣な顔


「？？」


訳が分からないでいると、再びスピーカーから放たれたギターの音



その曲はギターとタカの声だけ。それ以外の音は何も入ってなくて。






このアルバムに不釣り合いなほど、いい意味で素朴な曲だった





.



曲が終わると、思わず溢れた涙を拭い取る。なんてきれいな曲なんだろう




岩「＿＿＿＿＿いい度胸してんじゃん」


「え？」


その曲が終わると、意味が分からない事を言い出す剛典



岩「人の彼女にアルバムで公開告白してくるなんて、、ほんとぶっ飛んでるヤツ。笑」

「え？」



ちょっと怒ってるような、、でも目はキラキラしていて。


なんだかすごく........ワクワクしているような？活き活きしているような？

子供が新しい玩具を買ってもらった時のような、、何かにチャレンジする時のような。


そんな、思わず見惚れてしまう顔をした剛典がそこにいた




岩「＿＿＿＿＿やっぱ、結婚早めた方がいいかも....」

「え？」



もうさっきから私が『え？』としか言えていないのは致し方ないと思う

だって全く私と会話しようとする気のない彼との会話だもの。そうなってしまう。



岩「決めた。結婚式にタカだけは絶対呼ぶ」

「は？え？」

岩「あと臣さんと健さんとタカヒロさんと.....壱馬と涼太あたりも呼んだ方がいいのか....」


ちょっとちょっと。


結婚式はしない予定でしょう？
そしてなに、そのメンバーは。



顔面偏差値が高すぎて、新婦(私)が浮いちゃうでしょうがっ！！！




.

↓.→←↓.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す