嫌いって言ってみた ページ4
.
『嫌い』
「 ん？」
『嫌いって言った』
「は？俺？」
『そう』
「ふーん」
ソファに座ってお互いスマホをいじっている中私がふと言う。なにその反応。私はもっと「嘘でも嫌いって言うなよ」的な反応を望んてたんですけど。
私がもう一度『なるせのこと嫌い！』と言うと今度はふーんするもなく完全に無視された。
『はぁ…』
「…おい」
私がため息をついてソファから降りてなるせから離れようとすると私の腕を掴んで元の場所に戻された。
『嫌いって言われても傷つかないの？』
「は？いや、喧嘩中とかガチなときに言われると傷つくけど今は別に」
『そんなもんなのか〜』
私が『つまんないのー』となるせの手をムニムニすると無抵抗だったので触り続けているとなるせは触られている手の反対の手で私の頭を撫でた。
「でも好きって言われたらマジでいつでも喜ぶよ俺」
『…つまり言えってこと？』
「正解！！！！！」
『うるさ』
突然大きな声出すのほんとに控えてほしいよしかもいま距離近いじゃん。
なるせは割と愛情表現が上手で私のことをすぐ「マジかわいいすき」と言う。私もなるせのことをよくかわいい〜と言うがなるせはそれを聞くと不機嫌になるので控えている。いつもついでちゃうんだけどね。
「うぉっびびっ…」
『…嫌い、うそ好きだよ』
顔を見て言うのは恥ずかしかったのでなるせにガバッと抱きつき、なるせにしか聞こえない声でそう言う。
なるせは私のことを咄嗟に受けとめながら言葉を止める。
「ちょ、マジでさ、突然やめてくんない？ガチかわいい、なに？」
『なるせが言えっていったじゃん』
「俺の彼女かわいい〜〜〜！！！」
『うるさいって』
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 798人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みるる
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/Nagisa-Aonami/?w=1
作成日時：2021年10月17日 0時
