深夜にただいまはナシ! ページ2
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『…ただいま〜...』
今の時刻は深夜の3時。悪いことをしてこんなに帰りが遅くなったわけではない。仕事帰りに女友達と飲みに行っただけだ。私もその友達も随分とフッ軽なもので前日から決めたわけではない。調子を乗って写真をとりまくった結果、無事スマホの充電がなくなり私の彼氏__なるせに無断で帰りが遅くなってしまったわけだ。
そして私は今小声でただいまといい物音を立てないように靴を脱いでリビングに入ろうとしている。
『 ひえッ 』
「おかえりAちゃん?」
まあ起きてますよね!ですよね〜〜!!!だってなるせさん昼夜逆転してますもんね〜〜!?
薄々分かっていたがもちろんなるせは起きていた。それももうありえないくらいギラギラの目をして。
黒い笑みを浮かべたなるせは私のバッグを強引に取り、ポイッとそこら辺に投げたあと、私の手首を掴んで引き寄せた。黒い笑みを浮かべた彼の顔が近くなる。
『あの、ほんとにごめ 』
「うるさい」
咄嗟に謝ろうとしたがなるせに遮られた声と彼の胸に引き寄せられ手を回されてたのに驚き言葉が詰まる。なるせはぎゅーっと私を抱きしめ「はあ」と息を吐いた。
「まじどんだけ心配したと思ってんだよ」
『うん友達と飲んでた、充電切れてた』
「だろうと思った」
『ごめん』
「Aは浮気とかしないって、信じてるけど心配なんだよ俺」
『…うん』
彼の声から本気で怒っていることが感じられた。つまり本気で心配させたってことだ。本当に申し訳ない気持ちになった。
『もう絶対しない約束する』
「言ったかんな?次はお仕置きするから、今日はもう寝な」
『わかった、ありがと』
お仕置きといいながらちょっとニヤッとした顔は見なかったことにして彼の優しさに甘えることにした。お風呂は明日にしようかな、昼夜逆転しているなるせだけど今日は一緒に寝よう。
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作者名:みるる | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/Nagisa-Aonami/?w=1
作成日時:2021年10月17日 0時