その4 ページ5
らだ視点
「……さん!…………葉さん!」
俺を呼ぶような声がして目を覚ました。
ゆっくりと起き上がるとAさんが心配そうにこっちを見る。
「ごめんなさい…………私の制で……」
『いいのいいの。それにAさん死ななかったの偉いじゃん!』
『俺で良かったら話聞くよ?』
そう言い、Aさんの方を見ると泣いていた。
『え!?Aさん!?』
「大丈夫……っ!相談のってくれてっ……!嬉しくてっ……」
「青葉さん……ありがとう……!」
『大丈夫。俺当たり前の事しただけだし。これからは"友達"な!』
「友……達?……私……友達は……作っちゃ駄目ってお母さんが……」
え?そんな子いるの?
『じゃあ…………友達いらないの?Aさんは』
「欲しい……けど」
『じゃあ決まり!秘密の友達としてよろしく!』
そう言って笑うとAさんも笑ってくれた。
なんやかんやでAさんの笑顔を見るのは初めてで少し照れるような……。
「こちらこそ……よろしくね。えと……」
『らだでいいよ!俺もAって呼ぶし』
「じゃあ……らだ。よろしくね」
『うん!じゃあ……明日からここに集合して話聞くよ!』
「ありがとう!……あ、もう5時だ。帰らないと……」
『もう?じゃあ俺もかーえろ』
「崖から落ちてるから……どうしよ……」
『あ、俺道分かるからついて来て』
そんな感じで俺道は"秘密の友達"になったのだった。
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作者名:霧夜/kiriya | 作成日時:2021年1月1日 19時