その21 ページ22
_数年後_
A視点
私はあれから、時間が空けば零蛇小学校の神社に通っていた。
あの時の……呂戌太さんの"寂しいけどお迎えやで"と言う言葉。
ずっとらだ男先生と二人きりで寂しいのかな……
そう思い時間が空けば神社に向かい、返事が返ってくるはずもない……けど、いつも聞いてくれていると信じて……話を持ってきていた。
「…………明けまして、おめでとう。らだ男先生、呂戌太さん……」
「私ね、合格したよ。大学……お母さんも嬉しそうだった」
祠の扉に寄りかかり、そう話す。
「…………あ、天乃先生元気だよ呂戌太さん!」
「……らだも元気、してるかな……?」
「あ、もう……時間だ。じゃあね。らだ男先生、呂戌太さん」
そう言って私は一輪の"白いダリア"を祠に添えて鳥居をくぐり、お辞儀をする。
「………………………………帰ろう」
そう呟き、顔を上げた時、手が私の視界を奪った。
"……だーれだ?……"
「…………?え、……ら、だ?」
『あったりー!久しぶり、A』
後ろを振り向くと青色のニット帽、青が入り交じった黒髪の青年が立っていた。
『泣かないで。ほら、笑ってよ』
「……バカらだ!どこ行ってたの!」(ぎゅー)
『んー……さぁ?でも、会えて良かった』
『……本当は自分の口で伝えたかった。だから、今ここで言うよ。
Aがずっと好きだった。付き合って欲しい』
貴方が伝えたかったのは私も同じ事。
「…………私も……らだが……好きだった!」
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作者名:霧夜/kiriya | 作成日時:2021年1月1日 19時