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その12 ページ13

らだ視点

それから夜になり、辺りは静けさが募る。
俺は床で寝る事になった。
流石に女子に床で寝させるのは悪いから。

『………………寝れねぇ』

あの出来事が頭から離れず寝付けない。
Aはスヤスヤと寝息をたてて寝ている。
その姿はお姫様のようで………………。

あぁ、駄目だ。
そんなの考えていたら余計寝れない。

仕方なく俺は布団から起き上がり、水を飲みに行った。

A視点

「んぇ……?」

しまった。らだいるのに…………寝言言ってないかな?

横を見るとらだはいなかった。
きっとトイレにでも行ったのだろう。

「…………目、覚めた……」

起きるなりあの出来事が頭から離れなくなる。

「ちょっと、窓開けていいよね」

窓を開けると満月があり、雨はやんでいた。
…………また、こんな風に遊べたらいいな。

「……いや、もう、"無理"かな」

そんな独り言を淡々と並べていると、扉があいた。

『あれ、A……起きたんだ』

そう言いながららだも窓にくる。

「…………うん。ちょっと、寝れなくて」

『奇遇。俺も』

「…………緑達は違う高校だよね」

『うん。そうだけど』

「そっか…………もう、会いに行けないな(ボソッ」

『Aって何処の小学校なの?』

「えぇと…………"零蛇小学校(レイダショウガッコウ)"だよ。」

『以外と遠いね』

「うん。中学校の時に転校したからね」

「そう言えば、こんな噂知ってる?零蛇小学校の」

そう言い、私は話し出す。

「零蛇小学校の七不思議の七つ目。
願いを叶える鳥居って言ってね。満月の夜に零蛇小にある神社にお願い事をするとなんでも叶うんだって」

『へぇ〜』

「でも…………誰か一人と引き換えにね」

『えぇ。じゃあ叶えられても親しい人いなくなるじゃん』

「私も期待して願い事したけどなーにも叶わなかったから嘘だと思うけどな……」

『………………ねぇ、A』

と、真剣そうな顔をしてらだが言う。
でもその顔はすぐに無くなり、ニヘっと笑うと

『もう、寝よう。夜中だし』

「そうだね。寝ようか」

そう言って二人は布団に入って眠りについた。









『やっぱ…………言えないや』

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作者名:霧夜/kiriya | 作成日時:2021年1月1日 19時

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