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兄貴は自己中すぎる。
兄貴は何もしないのに良いところは取っていく。
兄貴は寝すぎる癖に寝起き最悪。
兄貴は確かにかっこいいけど、みんな兄貴のことしか見てねぇ。
兄貴はいつも余裕ぶっこいてカッコつける。かっこいいからいいけど。
ざっとこんなところ。
「あーーー、言い出したらキリねぇわ」
途中明らかに褒めてたが彼にとってはそれも愚痴らしい。
『……大変だね…』
「そう!大変なんだよ俺!
でもその苦労誰もわかんねぇの!」
無難な返事をしたつもりが、彼にとっては最適な返事だったらしく、わかる!?と勢いよくこちらを見てきたので何度か頷いといた。
「あーー、話したらスッキリしたけどまだ足らねぇな
よし!!行くぞ!」
『え!?ちょ、どこに!?』
ガシャンと鎖が跳ねるほど勢いよくブランコから飛び降りた灰谷くんは、私の手を掴んでそのまま公園を出て歩く。
「どこって、この時間に行くと言ったらあそこしかねぇよ」
『どこ!?』
言いようのない恐怖と混乱が溢れる。
引っ張られるまま段々と賑わう街中へ進んでいたが、あ。と言って立ち止まった灰谷くんの背中にぶつかる。
『い!
ごめんなさいっ!』
正直、急に止まるな。と言いたかったが、振り返って見下ろす彼を間近で見て勢いよく謝る。
「制服はまずいな」
『え?』
ボソッと呟いた言葉を聞き返した私に、こっち。と90度右に曲がってまた手を引かれる。
『あの!どこに、向かって…』
息も切れてくる。
「ここ」
と言って立ち止まった場所は、高級なブティック。
『え、いや無理無理無理!
私お金持ってない!!』
引っ張られる腕を後ろに体重をかけて、必死で店内に入らないように抵抗する。
「俺が持ってる
制服じゃどこもいけねぇよ
サツがくるし」
確かにそろそろ制服でうろつくには危ない時間だが、そもそも帰ればいいだけの話だ。
『か、帰るからっ』
「たまにはさ、思いっきりハメ外して楽しんでみてもバチは当たらねぇよ
そんなルールだ世間や親の目なんか気にしてたら息が詰まるぜ?」
ニカッと笑って店内に入って行った彼の言葉に一瞬息を忘れた。
気にせずに生きたことがなかった。
ずっと親は絶対で、親の言うことは何も間違えてなくて
親の言うことを聞くのが子供の正しい在り方だと思っていた。
ハメを外すとか、ルールを破るとかそんな概念すらなくて
もし今日それをすれば、もう少し自由に生きられるかなって。
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gxh - 玉兎さまーーっ!!大好きです!更新いつまででも待ってます! (2月2日 20時) (レス) @page42 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - キクラゲさん» コメントありがとうございます!✨ 告白ですね!!気持ち届きました!!そんな好き好き言ってもらえると調子に乗ってしまいそうです😂😂 楽しんでいただける作品を作ります!!これからもよろしくお願いします☺️ (12月12日 14時) (レス) id: 7c28fb7f1c (このIDを非表示/違反報告)
キクラゲ(プロフ) - クッッッッソ好きです作者さんの作品も好きだし作者さんも好きでs(( ンンッ…私こんなに語彙力ないからうまくかけないので玉兎さんの作品見て語彙力勉強します…!コメント失礼しました! (12月12日 0時) (レス) id: bf82bf2975 (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - 鈴さん» コメントありがとうございます!!✨慎重に書き進めております!!鈴様の応援でめちゃくちゃがんばれます!!ありがとうございます☺️ (12月10日 12時) (レス) id: 7c28fb7f1c (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 二人の関係がどうなっていくのか、気になります!続き楽しみにしてます! (12月9日 13時) (レス) id: 87ee7e2daf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玉兎 | 作成日時:2023年10月24日 11時