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「名前聞こうと思った
毎日登校して、仲良くなれたら毎日その笑顔見れんのかなって
でもその後すぐに、俺が灰谷だから気をつけろって言われてるの聞いて、そうだよな。って思った
…こいつは住む世界が違いすぎるんだって、
俺が関わることでこいつが汚れていくかもしれねぇって思ったら怖くなった
こんな綺麗なやつが、俺の知ってる奴らのどっちかになるかも知れねぇって思ったら怖くて
何より俺が気にかけてると兄貴が放っとくわけがねぇ
だから、次の日から学校に行くのやめた」
忘れようとした。と掠れるほど小さく呟かれた言葉。
白い息がなければ、発したことにも気付かなかったかも知れない。
「でもどうしても忘れられなくて
あのコンビニに行けば見れるかなって思って
ほとんど毎日夕方にあのコンビニに行ってたんだよ」
『……知らなかった…』
「お前いつも難しそうな本見ながら歩いてたからな
だから、いつも俯いてた」
参考書だ。
高校に入って成績の事しか頭になかったから。
残念そうに、俯いていた。と言う竜胆くんに申し訳ない気持ちが溢れてくる。
私のために学校に来てなかったのか。と言うと思いと、そんなに想ってくれていたのになにも知らなかった事に。
「だから、あの日この公園で見つけた時見間違いかと思った
こんな時間に外に1人でいる訳ねぇって
でも近付くにつれて、はっきり見えてくるにつれて間違いなくお前で
1人で危ねぇだろ。俺じゃなかったらどうすんだって気持ちと、会えたことと、話しかけるチャンスがきた喜びであの一瞬で俺、兄貴と喧嘩したことすっかり忘れるくらい舞い上がった」
そこでようやく顔を上げて私を見上げる竜胆くんの顔は優しくて、でもどこか緊張しているように見えた。
その証拠に、あれだけ暖かかった彼の手が今こんなに冷たい。
「俺、お前が好きだ」
真っ直ぐな目と真っ直ぐな言葉。
ドクンと大きく脈打って、鼓動が発した熱が全身へ巡る。
何か言わなきゃ。と思うがこんなこと初めてでどうすればいいのかわからない。
『ぁ、わ、わたし』
「…わかってる
お前は本来俺のような人間と連むべきじゃねぇってことは
ママも許さねぇだろうし、何より危なすぎる
お前を何にも巻き込みたくねぇ
でも、手放したくもねぇ
欲しいものはなんでも手に入れてきたんだ
生まれて初めて諦めるものが本気で欲しいものなんて嫌だ」
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gxh - 玉兎さまーーっ!!大好きです!更新いつまででも待ってます! (2月2日 20時) (レス) @page42 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - キクラゲさん» コメントありがとうございます!✨ 告白ですね!!気持ち届きました!!そんな好き好き言ってもらえると調子に乗ってしまいそうです😂😂 楽しんでいただける作品を作ります!!これからもよろしくお願いします☺️ (12月12日 14時) (レス) id: 7c28fb7f1c (このIDを非表示/違反報告)
キクラゲ(プロフ) - クッッッッソ好きです作者さんの作品も好きだし作者さんも好きでs(( ンンッ…私こんなに語彙力ないからうまくかけないので玉兎さんの作品見て語彙力勉強します…!コメント失礼しました! (12月12日 0時) (レス) id: bf82bf2975 (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - 鈴さん» コメントありがとうございます!!✨慎重に書き進めております!!鈴様の応援でめちゃくちゃがんばれます!!ありがとうございます☺️ (12月10日 12時) (レス) id: 7c28fb7f1c (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 二人の関係がどうなっていくのか、気になります!続き楽しみにしてます! (12月9日 13時) (レス) id: 87ee7e2daf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玉兎 | 作成日時:2023年10月24日 11時