14 ページ14
今度はいかにも悪そうな表情になる竜胆くんを見つめる。
『悪いことってどんなこと？』
「質問ばっかだなぁ」
確かにそうだ。ごめん。と謝れば、別にいいけど。と本当に気にしてない様子で、また考えるように上を見上げた。
「そうだなぁ
喧嘩があれば喧嘩して、バイク転がしたり
クラブにいたり、なんかどっかに集まって酒飲みながら駄弁ってたり？
あとは、家で下っ端集めてわちゃわちゃしてる」
『いつ寝てるの？』
「昼間？」
自分とは本当に真反対な生き方をしている事に開いた口が塞がらない。
「お前は？」
『え？』
「さっきから俺ばっか答えてんだろ」
『あー、そか
私は……
夕方に学校から帰って来て、ママが仕事から帰ってくるまでに洗濯物取り込んだり、お風呂洗ったりで
あとはご飯食べてお風呂入って〜勉強して、23時にはもう寝てるかな』
ふーん。と聞いて来たくせに何とも興味のなさそうな返事をした。
「…それが、普通ってやつなんだろうな」
『んー…そうなのかな』
「さぁ、でも少なくとも俺とは全く違う」
そりゃそうだろう。私は灰谷ではないのだから。
『でも、誰かと全てが同じなことはないと思うけど、全く違う事もないと思う
私にもパパはいない…そこは竜胆くんと同じだね』
にっこりと笑って言えば意外だったのか、彼はレンズの向こうで何度か瞬きをしていた。
「あ、いや…ちょっと意外だった
てっきり両親とあと兄妹がいたりすんのかなって」
『パパはいないの兄妹もいない』
「…悪い、勝手に思い込んでた」
『裕福な家庭で真面目ないい子ちゃんのお嬢様って？』
「……いや、あながち間違ってなかったな」
結構そのままだな。と笑う竜胆くんにつられて、確かに。と笑ったが、遠くで聞こえたパトカーの音に一瞬反応してしまった。
『……でも、いい子じゃなくなったかも』
「今日だけだろ
朝になったら送ってやるから」
『え、いいよ
帰れるよ』
「これでなんかあったら俺の目覚めが悪くなんだろ」
そう言われてしまえば、ありがとう。としか言えない。
「寝とけば？」
『え？ここで？』
「じゃ移動する？」
『どこに？』
「ベッドと風呂のあるところ」
そんなところがあるのか。と考えたが一つ思い当たり、顔が一気に熱を持った。
『いいいいいかない！！
ここでいい！』
フッと笑って肩を震わせる竜胆くんは、冗談。と片手をヒラヒラさせた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 270人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
gxh - 玉兎さまーーっ！！大好きです！更新いつまででも待ってます！ (2月2日 20時) (
レス) @page42 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - キクラゲさん» コメントありがとうございます！✨ 告白ですね！！気持ち届きました！！そんな好き好き言ってもらえると調子に乗ってしまいそうです😂😂 楽しんでいただける作品を作ります！！これからもよろしくお願いします☺️ (12月12日 14時) (レス) id: 7c28fb7f1c (このIDを非表示/違反報告)
キクラゲ(プロフ) - クッッッッソ好きです作者さんの作品も好きだし作者さんも好きでs(( ンンッ…私こんなに語彙力ないからうまくかけないので玉兎さんの作品見て語彙力勉強します…！コメント失礼しました！ (12月12日 0時) (レス) id: bf82bf2975 (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - 鈴さん» コメントありがとうございます！！✨慎重に書き進めております！！鈴様の応援でめちゃくちゃがんばれます！！ありがとうございます☺️ (12月10日 12時) (レス) id: 7c28fb7f1c (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 二人の関係がどうなっていくのか、気になります！続き楽しみにしてます！ (12月9日 13時) (レス) id: 87ee7e2daf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：玉兎
| 作成日時：2023年10月24日 11時
