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『話し合わないの?』
「兄貴と?無理無理」
『どうして?』
「人の心持ってねぇから」
えぇ……。カリスマって住む世界が違うと思っていたけど、そもそも種別が違うかもしれない疑惑が私の中で浮上した。
『でも、もしかしたら帰ったら掃除してあるかもよ?』
「ありえねぇ」
ケラケラと笑い出した灰谷くんに首を傾げる。
「兄貴が自分が散らかしたもの片付けるわけねぇよ
もししてたら地球どころか、太陽系が滅ぶ」
そんなにか…。
『じゃ、灰谷くんが帰らなかったらそのまま?』
「だな
兄貴の限界がきたら連絡くるかもしれねぇけど
その前に兄貴が家から出てるかもな」
『でも夜までには帰ってくるんでしょ?』
その問に、何度目かになるキョトンとした顔の後ニヤリと笑う。
「そうなれば何日も帰って来ねぇよ
俺らは何時になろうがママに怒られることはねぇからな」
その言い方にムッとしたが、ママがいない家ってどんな感じなんだろうと思った。
でもそこは触れてはいけないかな。と各家庭の事情だと自分に言い聞かせて、特に返事はしなかった。
壁にかけられている時計を見ればもう2時を回った頃で、それでもちらほら私たちの他にも客はいるし外にも人がいる事に驚きだった。
『灰谷くんは「竜胆」 え?』
「俺の名前」
『え、っと…うん、知ってる』
話を遮ってまでする自己紹介に糸が掴めず首を傾げれば、だから。と肘をついて手に顎を乗せた彼が少し目線を外した。
「兄貴も灰谷だろ」
『うん、そうだね…?』
兄弟だし。
「はぁ…、ややこしいだろ」
『えっと……つまり、下の名前で呼べってこと?』
そ。と短く答えた彼は、とうとう横を向いて外を眺めてしまった。
灰谷兄弟の弟の方を下の名前で呼ぶなんて。
許されるのだろうか。
不良とか、カリスマだからとかなんか色々まずい気がする。
し、そもそも男の子を下の名前で呼んだことがない。
が、ここで嫌なんて言えば彼は機嫌を損ねそうだ。
「で?」
『へ?』
「話の続き、なに?」
遮った話の先を聞いてくれるつもりははあるらしい。
『あー、灰「りんどー」……り、竜胆…くんは』
ちょっとぎこちなかったが彼は満足したようで、ん?と口元を緩めた。
『いつもこの時間も外にいるの?』
「日によるけど、いることも多いかな」
『何してるの?』
「お前には無縁の悪いこと」
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gxh - 玉兎さまーーっ!!大好きです!更新いつまででも待ってます! (2月2日 20時) (レス) @page42 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - キクラゲさん» コメントありがとうございます!✨ 告白ですね!!気持ち届きました!!そんな好き好き言ってもらえると調子に乗ってしまいそうです😂😂 楽しんでいただける作品を作ります!!これからもよろしくお願いします☺️ (12月12日 14時) (レス) id: 7c28fb7f1c (このIDを非表示/違反報告)
キクラゲ(プロフ) - クッッッッソ好きです作者さんの作品も好きだし作者さんも好きでs(( ンンッ…私こんなに語彙力ないからうまくかけないので玉兎さんの作品見て語彙力勉強します…!コメント失礼しました! (12月12日 0時) (レス) id: bf82bf2975 (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - 鈴さん» コメントありがとうございます!!✨慎重に書き進めております!!鈴様の応援でめちゃくちゃがんばれます!!ありがとうございます☺️ (12月10日 12時) (レス) id: 7c28fb7f1c (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 二人の関係がどうなっていくのか、気になります!続き楽しみにしてます! (12月9日 13時) (レス) id: 87ee7e2daf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玉兎 | 作成日時:2023年10月24日 11時