誰にでもできる仕事 ページ5
(さらば❤︎森田さん)
毎日毎日いろんな男の人を満足させる
それが私のお仕事。
この二行で伝わるくらい私の仕事はシンプルで
女の子なら誰にだってできる。
「Aちゃん、お疲れお疲れ」
自分の家のようにシャワーを浴びて小さなホテルのベッドにどさっと座るこの人は、ながーくご贔屓にしてくれる常連の森田さん。
芸人さんなんだと思う。
テレビで見かけた森田さん。
最初はそっくりさんかと思っていて、
話していくうちに確信に変わっていったけど
無粋なので本人なのかを聞くのはやめた。
「森田さんお久しぶりです」
「ほんまやわ、呼びたい時Aちゃん出勤してへんし」
「えー、ほんとですか？」
「ほんまほんま。毎回Aちゃんがええもん」
本当かなーこの人
なんて、思いながら、森田さんにぴたっとくっつく。
指と指を柔らかく絡めて。
じっと顔を見つめて。
もう何回か会えばどういう事をしたら喜ぶかなんていうのは手に取るようにわかるし
森田さんは少し焦らされるのが好きみたい。
「Aちゃんはやっぱ可愛えな、チューしよ」
「えー、森田さんタバコくさいもん」
「そんなん言っていつもしてくれるくせに」
もう、鼻と鼻はくっつきそうなくらい近いのに
こっちからキスしない素振りをすると
ちゃんと我慢してくれる森田さん。
楽しんでるのもあるんだろうけど
気遣いができるような優しさを垣間見せてくる。
たまにそれが愛おしく思えて
他のお客さんよりもサービスしちゃおうかな？
なんて気にさせられる。
思えば森田さんの術中なのかもしれないけど。
今日も事を終えて、すこし汗でベタつくシーツにくるまって時間までお話しして。
時間ギリギリまで元取ろうとするお客さんと毎回比べてしまう。
それほど森田さんと話す時間は
いつもゆったりしていて心地よい。
「Aちゃんって昼なんかしとんの？」
「バイトしてます」
「へえ、働くなあ、あー、週何？」
感心するように森田さん。
「そうなんや、前もって休みとか取れるん？」
いつも通りなんだけど、
なんというか、今日は少し歯切れが悪いというか。
質問が多いというか。
「…来月頭って夜出勤？」
「シフト1週間おきなんでまだ決めてないですけど…森田さん来るなら出勤しますよ？」
「あ、ええねん、いや、なんでもない」
何？この感じ。
森田さんらしくない…というか。
「何かあるんですか？」
「いや、あらへんけど」
やっぱり森田さんらしくない。
もごもごと、何か言いたげな顔をして
森田さんは結局何も言わずに時間が来てしまった。
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ぴぴ(プロフ) - ☆kon☆さん» コメントありがとうございます(T_T) もうほんっとにこちらは私の好き勝手書いてるのでそう言っていただけてとても嬉しいです(T_T)！！恐れ多いお言葉も嬉しすぎます…こちらこそ本当に読んでくださりありがとうございます☻ 更新頑張れます❤︎笑 (2023年3月6日 0時) (
レス) id: b6f7e28a9f (このIDを非表示/違反報告)
☆kon☆(プロフ) - コメント失礼します！今まで中々読めなかった方の小説を読めてとても嬉しいです！！語彙力がついてこないのですが、丁寧な描写やストーリー展開がとても好きです！何度も読み返してニヤニヤしております☆応援しておりますのでこれからも更新頑張って下さい！ (2023年3月4日 0時) (レス) @page9 id: 3782f3d41e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴぴ | 作成日時：2022年10月17日 20時
