ある花嫁の話 ページ12
(アインシュタイン❤︎河井さん)
ゆずるは正装が似合う。
職業柄、スーツ姿に見慣れているからかもしれないけど
綺麗な凝った彫りガラスの窓からの光と、私の純白のウェディングドレスの反射に照らされて、キラッと光る明るめの髪が少し眩しい。
「今日まであっという間やったなあ」
感慨深く私のドレス姿を頭のてっぺんから裾まで見ているゆずるは、今まで見たことのないくらい優しい顔。
「…綺麗？」
「もー、べっぴんさん」
「ふ、べっぴんさんって、おっさんしか使わへんよ」
いつもなら「なんやコラ」と口喧嘩になってしまうけど、さすがの今日はそんな事にもならないみたいで
優しい顔のまま「悪かったなおっさんで」と笑って向かいにあるソファに座った。
「緊張してんの？」
「めっちゃしてる」
「Aらしないなあ」
「誰でも緊張するやろこんな」
重くて高いドレスを着て、たくさんの人に携わってもらって、これから一生に一度の儀式なわけで、
まだまだ式が始まるまでの時間が割とあるのだ。
その間緊張しっぱなしなのが辛い。
「A」
「なに、もう」
「…世界一綺麗やで、ほんま、自信持ち」
ゆずるに、そんな事言われた事ない。
思えば喧嘩ばかりだった気がするし
こんな風にいきなり優しくなるのは、ずるい。
今まで一緒に居た間の事を思い出したら
涙が溢れてきた。
「泣いたら化粧崩れるでー、もお、泣き虫やないやろ」
「ゆずるに言われたら、なんか、」
「あほ、泣くのは式でやんか、ドッカーンうけるで」
「芸人の考え方〜…」
指で涙を拭おうとしたら、ゆずるが胸に収めていたハンカチでトントンと目元を優しく拭ってくれた。
「それ飾りで入れてるやつちゃうん…」
「役に立ったわ」
ちょっとだけアイシャドウがついてしまったハンカチは「また泣くかもしれんから持っとき」と私にくれた。
キラッとラメが光ってて私は笑ってしまう。
「ハグでもする？」
愛しさが溢れて口にした言葉
ぽかんとしてからゆずるは顔を赤くした。
「なーにを言うてんねん」
「こういう時するもんやん？」
「アホ、ええわ、俺ももー行くし」
そう言うと「また後で」とゆずるは控え室から出て行く。
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ぴぴ(プロフ) - ☆kon☆さん» コメントありがとうございます(T_T) もうほんっとにこちらは私の好き勝手書いてるのでそう言っていただけてとても嬉しいです(T_T)！！恐れ多いお言葉も嬉しすぎます…こちらこそ本当に読んでくださりありがとうございます☻ 更新頑張れます❤︎笑 (2023年3月6日 0時) (
レス) id: b6f7e28a9f (このIDを非表示/違反報告)
☆kon☆(プロフ) - コメント失礼します！今まで中々読めなかった方の小説を読めてとても嬉しいです！！語彙力がついてこないのですが、丁寧な描写やストーリー展開がとても好きです！何度も読み返してニヤニヤしております☆応援しておりますのでこれからも更新頑張って下さい！ (2023年3月4日 0時) (レス) @page9 id: 3782f3d41e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴぴ | 作成日時：2022年10月17日 20時
