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「アレいくら貰えんの？」
「気になります？」
「めっっちゃ気になる」
そう言えばAは迷うことなく耳打ちした。
こういうノリのいい奴は嫌いじゃない。
耳元で囁かれた金額は大したものではなく俺は驚いた。女の子があんだけやってもそんなもんとは。
「ね、しょぼしょぼでしょ」
「おー、うわ、まじか、もっと払ってもええもんやけどな」
「まあ、いろんな人に見てもらえますから」
Aはそう言って笑った。
「森田さんとか」
「俺？」
「TikTokとか絶対見ないですもん、これなら見てもらえるかなーって」
わざとらしく、あのページに載ってたような
手で胸を隠すポーズをして俺を見る。
「…アホちゃう」
「ふふ、でも男性にはアレが1番刺さりますから」
そーいう、柔軟なところ。
コイツはほんまに…わかってんなあ！！
「刺さった刺さった、めっちゃよかった」
「あははちゃんと読みました？インタビューも」
「読んだよ、あれやろ、抱かれたい男芸人」
『抱かれたい男芸人は？』
『んー、お世話になってた、さらば青春の光の…』
『あ、東ブクロさん？(笑)』
『いや(笑)森田さんです(笑)』
「あんなん言うなって！」
「なんでですか？」
「グラビア、見る目変わるやろ…」
売れる奴っていうのは、こーして、わかってるわけで。
そんな事を俺が口を滑らせれば
Aはまた笑うのだ。
「ほんまに好きとか勘違いすんぞ」
タバコに火をつけて煙を吐く。
もやもやっと煙が上がって
見えたAの顔はさっきまでと打って変わって
赤くて、可愛らしい顔をしていて
ほんまに好きと勘違いするような顔をしていた。
「好きなんです、けど」
「…はあ？」
「まあ別に受け流してください」
そんな捨て台詞を残してささっとAは喫煙所から出ていった。
そんな言葉残されて、おいおいおい。
「ちょ、待ておい！」
と言いつつ火をつけたばかりのタバコを消すワンクッションをするうちにAは楽屋に逃げていった。
わかっている奴は、男心もわかってんのか。
そんな事を言われて逃げられたら、今度は思い返すあのグラビア。
悶々としてしまうやろ、こんなん。
でも、あのタバコの煙に巻かれたAの
一瞬見せた赤い顔。
あんなんがグラビア載ってたらあかんかった
絶対みんな好きになる。
「それがわからんのはまだまだやなー」
と、余裕ある男のフリして、俺はまたタバコに火を点けるのだった。
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ぴぴ(プロフ) - ☆kon☆さん» コメントありがとうございます(T_T) もうほんっとにこちらは私の好き勝手書いてるのでそう言っていただけてとても嬉しいです(T_T)！！恐れ多いお言葉も嬉しすぎます…こちらこそ本当に読んでくださりありがとうございます☻ 更新頑張れます❤︎笑 (2023年3月6日 0時) (
レス) id: b6f7e28a9f (このIDを非表示/違反報告)
☆kon☆(プロフ) - コメント失礼します！今まで中々読めなかった方の小説を読めてとても嬉しいです！！語彙力がついてこないのですが、丁寧な描写やストーリー展開がとても好きです！何度も読み返してニヤニヤしております☆応援しておりますのでこれからも更新頑張って下さい！ (2023年3月4日 0時) (レス) @page9 id: 3782f3d41e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴぴ | 作成日時：2022年10月17日 20時
