いつか君に会えたら【Fischer's】

23.ヒーロー ページ25

私はこいつとはもう関わりたくなかった



『あの…何か用でもあるんですか？
私､そこまで暇じゃないんですけど』


ちょっと喧嘩腰でいってみる


悠「いや何もないんだけどね〜､
何か久々だな〜！」



向こうから一方的に話を進めてくる


帰ろうとしても止められる
(正しくはうでを引っ張られ､帰るに帰れない状況)




早く帰りたいのに＿＿＿




そんな時､声が聞こえた



?「セイちゃん？」


この声は＿＿＿


後ろを向いた







やっぱり間違ってなかった＿＿＿









『モトキさん！』





私にとっては彼がヒーローに見えた



悠「なぁ､A？こいつ誰？」






モ「君こそ誰なの？初対面の人に向かって
こいつなんていう人は」




『モトキさん…行きましょうっ…』





そういって彼の手を掴み走り出す



2,3分走ったところでモトキさんは止まった




モ「大丈夫？」




『はい…』



モ「もしかしてだけど､今の人が中学の時
いじめてきた人？」



私は静かに頷く



モ「そっか…

辛かったね…怖かったでしょ？」



モトキさんはその後は何も言わずに
私の事を抱きしめてくれた



私は彼の優しさにほっとしてしまったのか
そのまま泣いてしまった






泣き終わるまでずっと抱きしめて
背中を擦ってくれたモトキさん




『ごめんなさい…勝手な事しちゃって…』

モ「いや､あのままだったらちょっとヤバかったからむしろ助かったよ」


モ「ところでさ､あの人が言ってたA
ってセイちゃんの本名？」


『ぅわぁぁああ////わ､忘れて下さい!!!!』


モ「あぁそう？でも









俺はAって名前､好きだけどな＿＿＿









『ぇ…』

モ「…それじゃあ､またね」





逃げるようにして帰ったモトキさん






その言葉にときめいてしまった





モトキさん､









あなたは私のヒーローで､









大好きな人です＿＿＿＿

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