2 - VS BLACK ページ3
｢はよ起きろ｣
瞼が閉じられて夢の中にいた私を容赦なく叩く衝撃と私を叩いた奴の声で目覚める｡
私の頬を叩いた奴はベッドに腰を掛けて上から私を覗き込んでおり､もう一度先程の同じ言葉を繰り返す｡
｢あと5分…｣
｢聞こえないのか？はよ起きろ｣
煩い声から逃げようと布団に潜ろうとしたが､私の考えなんてお見通しなのか力任せに布団を剥ぎ取られてしまう｡
先程まで私を包み込んでくれた温もりが無くなったことに冷気に触れた体がぶるりと震える｡
恨めしく奴を見るも､奴は剥ぎ取った布団を畳み始めたのでこちらには見向きもしない｡
｢今何時？｣
｢7時｣
｢朝ごはんは？｣
｢俺が知るわけないだろう｣
毎日のように起こしに来る癖に､なんで何時も朝ごはんを母に聞かないんだよ…｡
そう思っていたのが不意に口から出たのか奴がエスパーで私の心の内を読んだのか分からないが､お前が起きないのが悪いと頭を軽く叩かれた｡
面倒に思いながらも体を起こすと同時にベッドの傍に置いてある目覚まし時計がジリリリと音を鳴らし､リビングからAー？と私の呼ぶ母の声が聞こえる｡
奴は何も言わず私の部屋から出ていく｡私より先にリビングに行って母に入れてもらった珈琲を飲んで私を待つに違いない｡
まだ完全に開いていないまぶたを擦り､制服に着替えて学校の準備をしてリビングに向かうと､やはり奴は珈琲を飲んでいた｡
｢おはよー｣
｢おはよう｡ははっ今日も凄い寝癖だな｣
｢おはようA｡冷める前に早く食べなさいよ｣
｢うん｣
テーブルに並べられた朝ご飯にお腹がぐぅと鳴る｡
父は幼い頃と変わらず､今日も可愛いなぁと寝起きで決して可愛いとは言えないであろう私に言う｡
ほぼ日課とかしたその言葉に10年前の私なら｢えぇ〜A可愛いの？｣と嬉しそうに返していたが､今はもうお腹の音で返事するレベルになった｡
私が朝ご飯をゆっくり食べていると母がキッチンから父の隣へ来て､2人は肩と頭をくっ付ける安定の距離感のまま父が読んでいた新聞を一緒に読む｡
毎朝これを見せられる私は慣れているが､奴は気まずそうに私に目線を逸らしてくるから辞めて欲しい｡
｢あ､グルッペンくん珈琲のおかわりいるかしら？｣
｢いえ大丈夫です｣
｢Aもまだ準備終わりそうにないし遠慮しなくていいのよ｣
｢じゃあ､お願いします｣
隣で珈琲のおかわりを待つ奴からの早くしろという念が込められた目線を無視して､私もおかわり！と叫んだ｡
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お豆腐 - バカップルwwwすごくおもしろくてすきです、とくにざますからのあざますがすきです。 (2023年2月25日 0時) (
レス) @page13 id: 8c6028ae84 (このIDを非表示/違反報告)
Origami(プロフ) - コメント失礼します！こういった話好きなので毎回楽しみながら読ませていただいてます!!これからも頑張ってください！ (2023年1月25日 7時) (レス) id: 93f1beb074 (このIDを非表示/違反報告)
シュークリーム - はじめまして！！とても面白いお話をどうもありがとうございます、！いやぁ、このバカップルっぷり、最高っすね！！更新楽しみに待ってます！！ (2023年1月18日 14時) (レス) id: d286af4d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：srice､ | 作成日時：2023年1月15日 15時
