7,呆れられているけど ページ9
「私には無理だってのかよ…」
自分は短気だし、すぐ怒ってしまう。しかし、直したいという思いは本当の事なのだ。組に迷惑をかける訳にはいかない。これ以上被害を増やしたら組が終わる。ただでさえ天然記念物とかいう名誉のない名前で呼ばれたりしているのだ。
どいつもこいつも馬鹿にしやがって…。
「居た」
Aは、とある部屋の隅に固まっていた。いきなり光が差し込んだかと思うと、自分が迷惑をかけて来た内の一人が姿を現した。
「悪かったな。意味分かんねぇこと言って逃げて」
「私も、気持ちをくみ取れなかった」
お互い様だ、と針はAの隣に腰かけた。扉が閉まり、また部屋が暗くなる。
「直したい気持ちはあるんだよ」
「うん」
「いつか直るだろって、言われてきたんだ」
「うん」
「…直ってねぇんだよなぁ…」
体育座りをして、足に顔を埋める。長く大きなため息を吐きながら。時が経つにつれて、直ると思っていた。自分でも思っていたのだ。しかしどうだろう。全くと言っていい程に進展がない。組の人間も呆れているんじゃないだろうか、と思う事が増えた。
今では、いつも思っているが。
「針さんだって、私に呆れているんじゃねぇの」
「あぁ…まぁ。否定は出来ないな」
恐らく、針だけではない。皆呆れているだろう。長年の迷惑が積もり積もっているのだから。
「ただし、直っていないことにじゃない」
「は…？」
「呆れているんじゃないか、と言う見解にたどり着いたことに対して呆れている」
暗い部屋の中で、針の眼光が突き刺さる。
「やめろよ…。やめてくれよ針さん。そんなこと言われたら、ヤバイって…」
「何が」
「泣きそうだ」
「泣かないのか？」
「泣くわ」
自分は、沢山の人に恵まれているという実感がもてた。
これからも迷惑かけるかもしれないけど。
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マリイ - 治崎廻大好き (2022年3月20日 16時) (携帯から) (
レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
いずでく - うわーーーーん！ (2019年1月8日 16時) (レス) id: c864c21ee8 (このIDを非表示/違反報告)
ねじる - 泣きました。。。良いお話です。でもこれ見ると、死穢八斎會の人達ってホントにヴィランなのかな？って思えてくるwww良いことですけどね！ (2018年12月9日 15時) (レス) id: b17a466711 (このIDを非表示/違反報告)
百聞(プロフ) - ゆうなさん» 泣いていただけるとは思いませんでした。ありがとうございます。感動していただけたことが何よりも嬉しいです。 (2018年4月29日 13時) (レス) id: c88b707ff9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - めっちゃ泣いてます………感動しました…素敵なお話ありがとうございました…！！！完結おめでとうごさまいます。更新お疲れ様です (2018年4月29日 13時) (レス) id: b1153871a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：百聞 | 作成日時：2018年3月4日 21時
