12,カジノ潜入編 ページ14
「おい、よくよく考えたらやっぱ可笑しいよなぁ？歴代のヤクザのおやっさん達で潜入したなんての聞いたことねぇぞ？」
組長が調達したタクシーに乗車後、Aが針に疑問をぶつけた。針自身も聞いたことはなかったが、組長の命ならばやるしかない。それに、Aにやらせることが重要なのだろう。策があるに違いない。
「さぁ？私も聞いたことないけど、組長時代ならあるんじゃないか？」
「うーん」
納得はしていないようだ。しかし、背いたりする脳もないだろう。任務はこなす。もっとも、やってもらわなければ困るが。そんな風に揺られて数十分後。目的地に到着したであろうタクシーが動きを止めた。ドアが開かれ、二人が降りる。
「針さん…。これは聞いてたか？」
「いや、聞いてない」
二人が降ろされたのは、裏カジノと呼ばれる場所だった。昔、一回来たことがある程度で、中はどんな風になっているか分からない。外装は、ただの廃墟。どうやら地下にカジノがあるらしいが、詳しくは分からない。事前に何も言われず来たので、二人はぼぅっと立ち尽くすのみだ。
「こちらへ」
と運転手に手を引かれ、二人は廃墟の中へ入って行く。その廃墟の一室に通されて、服を渡される。
「それにお着替え下さい。あとはこちらの招待状を。着替え終わったら、あちらの階段から下へ」
いきなりの説明に一瞬戸惑うが、個室に入り着替える。招待状と呼ばれた紙を貰った鞄に入れ、個室を出る。針はスーツ。Aはドレスを身につけていた。
「これ、確実に似合ってねぇよな。針さん交換しねぇ？」
「馬鹿。そっちの方が悲劇だろ」
「髪は私がやりましょう」
タクシーの運転手は、すぐにAの髪を整え、「三時間後に来ます」と去って行った。恐ろしく仕事の出来る運転手だ。その早さに度肝を抜かれつつも、二人は階段を降りて行く。
「歩きづれぇ。ヒールたっか。馬鹿かよ。さんむ。さんむ」
「今は我慢だ。早く終わらせよう」
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マリイ - 治崎廻大好き (2022年3月20日 16時) (携帯から) (
レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
いずでく - うわーーーーん！ (2019年1月8日 16時) (レス) id: c864c21ee8 (このIDを非表示/違反報告)
ねじる - 泣きました。。。良いお話です。でもこれ見ると、死穢八斎會の人達ってホントにヴィランなのかな？って思えてくるwww良いことですけどね！ (2018年12月9日 15時) (レス) id: b17a466711 (このIDを非表示/違反報告)
百聞(プロフ) - ゆうなさん» 泣いていただけるとは思いませんでした。ありがとうございます。感動していただけたことが何よりも嬉しいです。 (2018年4月29日 13時) (レス) id: c88b707ff9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - めっちゃ泣いてます………感動しました…素敵なお話ありがとうございました…！！！完結おめでとうごさまいます。更新お疲れ様です (2018年4月29日 13時) (レス) id: b1153871a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：百聞 | 作成日時：2018年3月4日 21時
