どこかで星が降ったなら (ページ2)

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「ふへて」

強請るような顔。

黒い髪と白い肌のコントラストがやけに目刺さる。

左耳には金色のフープピアス。
ふたつ空いているはずのピアスホール。
今日は、ひとつ分は空洞のまま。

「やだ」

「マジで面白味のねえ女だよな、お前」

「深澤くんに言われたくない」

「いや、ウザ」

結局私から奪い取るようにライターを手にして。小さく灯った火。
吐き出された息は、ある意味で人工的なそれで、決して冬のせいなんかじゃなかった。

「…今日どーすんの？」

「何が？」

「飲み会」

「あー…どうしよっかな。深澤くんは？行くの？」

「お前が行くなら行く」

深澤くんはたまにこういう言い回しをする。
そこにどういう意図があるかは、気にする方が負けだっていう事、早々に気付いてからは思案する事を辞めた。

「…じゃー、行かない」

「あっそ。じゃー、俺も行かない」

濁った水の中に短くなったフィルターを投げ入れれば、ジュッと音がした。
ガサツ、と深澤くんが小さく口だけで笑う。

深澤くんのが移ったんだよ、と言うと、深澤くんは聞こえないフリをした。
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