渡辺翔太の彼女は他担らしい

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一緒に露天風呂に入って、その後も良い時間を過ごしまして、次の日。

まあまあ寝坊したからすぐ朝ご飯を食べて旅館を後にする。

すぐに帰るのもなんだから、目の前の海に行くことにした。

人もほとんどいなくて、バレなそうでよかった。



『流石にもう寒いね』

翔「入れそうにはないな」

『入る気だったの！？』

翔「俺は絶対嫌だけど、ふっかと康二なら入るよ」

『確かに(笑)あ、貝殻』



Aが貝殻を見つけて砂浜にしゃがむ。

俺も合わせてしゃがんだ。



翔「きれーだな」

『ね。…翔太、昨日と今日ほんとにありがとね。すごい楽しかった』

翔「ん、俺も。露天風呂楽しかった」

『まあそれも良い思い出かなぁ』



あんなに嫌がってたけど、入ってみたらよかったって。

Aがふふって笑うから、俺はAの手を取った。



翔「A、」

『ん？』

翔「俺、ずっと考えてたんだけど」

『うん』

翔「Aにはずっと支えてもらって、やっとデビューできて、ほんとによかった」

『…うん』

翔「俺、Aとこれからもずっと一緒にいたい」



Aの瞳が潤んで揺れる。

俺は自分のポケットからあるものを出して、Aの手のひらに乗せた。



翔「俺と一緒に住んでよ」



それは、鍵だった。




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