深澤先輩の噂の彼女

＊30 ページ30

.



文化祭の準備が本格的に始まって、委員の仕事もだいぶ忙しくなってきた。

辰哉もそうらしく、部活もあっていつもより会える時間が少なくなってちょっと寂しかったり。

といっても、家が隣だしほぼ毎日会ってはいるけど。


そして今日は接客チームのみんなで衣装合わせ。

衣装を借りれるツテがある子がいて、安く済んだからありがたい。

ありがたい、んだけど。



「Aちゃんはこれね！」



そう言ってクラスの子に渡されたのは、もちろんメイド服。

…でも、まって、めっちゃ丈短くない？



『ねえこれ短くない！？』

「Aちゃん細いし可愛いんだから出していかないと！」

『いやいやいや！！』

「とりあえず着てみて！！」



口答えすることもできず、有無を言わさず渡された。

隣の教室に行って、とりあえず着てみたけど、

…いや、これ、ほんとに短い。



「着れたー？」

『着れたけど短すぎる、恥ずかしい！！』



なんて言いながら教室に戻ると、



目「うわ、Aちゃん」



目黒くんがいて、私の姿を見て驚いている。

さっきまで男子誰もいなかったから出てきたんだけど！？



『待って目黒くん恥ずかしいからあんま見ないで！』

目「なんで、めっちゃかわいいよ」

『かわ…かわいくないよ！短いし！！』

目「え？短いのいーじゃん」



辰哉といい、目黒くんといい、結局男はミニスカが好きなんだ…。



.

＊31→←＊29 M

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す