深澤先輩の噂の彼女【2】

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Side M



向「めめ！！大変やで！！」



裏でドリンクを待っていると、康二が慌てて俺の方に近寄ってきた。



目「え、声でか。なに？」

向「Aちゃんが男に絡まれとる！！」

目「…っ、え！」



そう言われて、慌てて飛び出して行こうとしたんだけど、



向「ピンクの髪のチャラそうな人にな、どっか行こうとか言われてんねん！！」



康二のその言葉で俺は動きを止めた。

あれ、ピンクの髪、って。

俺、どこかで見たことがある。



目「…もしかして、ピアス開いてて、細い人？」

向「え？そうやけど…ほら、あの人や」



そう言われて裏から2人でAちゃんのところを覗く。

…ああ、やっぱりそうだ。



目「あの人、Aちゃんの先輩なんだって」



俺があの日、Aちゃんに彼氏がいるって知るきっかけになった人だ。

しかも、渡辺先輩もきたし。



向「え、あれって渡辺先輩よな？Aちゃん知り合いなん？」

目「2人とも中学の先輩なんだってさ」

向「意外な人たちと仲ええんやな…あ、行ってもうた」



Aちゃんが2人を連れて教室を出て行く。

俺は、何もすることができず、ただただ今まで通りに仕事をこなすしかなかった。



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