キミと月明かり (ページ34)

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旅立ちの日ページ34

卒業式を終えたあと、

この学校にもう一度通えたこと
そしてかけがえのない人に巡り会えたこと
決して忘れない。

「相葉くん。今までありがとうね。」

《こちらこそ。楽しかったよ。

またいつでも電話してよ。君とはこれで

終わりたくないからさ。》

「また電話するね！！」

そして、

［まさかあなたとカズくんが恋人同士になるなん

てねえ。まぁ、いつか！ちよりには運命の人

みつかるから。

あなたのこと下の名前で呼んでいいかな？

私のことちよりって呼んで。］

「ちより！」

［A、幸せになりなさいよ。］

そして、

〔君と会うことはもうないと思っていたけど

カズのフィアンセになったから今後も会う！〕

「まだ分からないよ。」

〔カズは本当だったら俺の高校に編入するはず

だったんだ。英語を学ぶためにでもカズは君を

とったんだ。本当に羨ましいよ。俺にも幸せ

分けてくれよ！〕

そんなことがあったなんて...

「みんなまたね！！」

手を振り車へと向かう。

〈坊ちゃん、お嬢様。ご卒業おめでとうございま

す。〉

本当に卒業したんだよね...

＿_

それから数日後。
二宮くんと空港にいた。

『もうそろそろだ。行かないと。』

「待って。まだ一緒にいた。」

服の端を握りしめる。

『あぁ。わかった。』

とくに話すわけでもないけど
まだもう少し一緒いたい。

時間が止まればいいのに。
ただ願うばかりで現実はそんな簡単じゃない。

『もう行かないと。また戻ったら宜しくな！』

「うん...」

出会ってから何年が経ったんだろう。
幼かった私たちは親の都合で離れ離れに
酷いことをしてそれを反省して大人になって
いった。久しぶり再会した私たちは何度も喧嘩しては仲直りして恋をした。

たぶん、ずっと前からお互いに惹かれあっていた。
二宮くんに出会えて本当に良かった。
ありがとう。

第2章へ続く