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ここは…。どこ?
私は目が覚めた。
腹部にはまだ痛みがある。
よしくんが私を刺した。
ためらいもなく。
やっぱり、よしくんも私を殺したかったんだね。
ごめんね、気づいてあげられなくて。
今すぐ死んであげるから待ってて。
私はガウチョパンツのポケットに入れておいた護身用のナイフを取り出した。
いつか、こんな日がくるだろうなって思ってた。まぁこんなに早く来るとは思わなかったけどね。
私は左手首を出した。
よしくんはたぶん知らないけど、私は自傷行為をずっとしていた。
切ると赤い血液が滴り落ちてきて、自分は生きてるんだって認識できる。
いつもの要領で死ぬことはできないのは知ってる。だから、いつもより上の部分にナイフをあてた。
だけど…。
快「A、おれに許可なく死のうとしてんの?そんなの許さないよ。」
よしくんのあの低いトーン。
私は震えながら押し当て続けてよしくんに返した。
A「もう、終わりにしよ?」
快「は…?」
A「もう私は無理。私なんかがいるから!よしくんは苦しんでるんだよ!?」
快「…。」
A「ほら、何も言えないでしょ!?そりゃそうだよね、全部…全部私のせいなんだから。あなたの笑顔を奪ったのも…本当の優しさを奪ったのも…全部私がいるから…。」
涙が止まらなかった。
止まってほしいのに…。ボロボロと。
快「…。」
A「だから、よしくんの許可なんていらないよね…?」
快「いる…。」
A「え…。」
快「A、お前がいなくなったらおれはお前のあとを追いかけるだけだよ。」
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作者名:mimo | 作成日時:2018年12月14日 0時