重い先輩と心配しすぎな後輩

75（Fukazawa side） ページ32

何だか変な夢を見たような気がする。
…Aがおれのニセモノに奪われようとしていた夢だったかな。

まぁ、Aは口調を真似たソイツのことなんてニセモノと見切ってたようだった。

んで、目が覚めたら隣で眠るAの手を強く握りしめていたんだっけ。


深「…夢見悪 わら」


あの黒い塊はなんだったんだろうか、考えても無意味なことは明白。だって夢の中の話だから。

それでも気になってしまうのは…多分あれはAが見ていた夢でそこにおれがスペシャルゲストみたいな感じで入り込んだからだろう。


うちの天使にあんな夢を見させるなんて、頭がおかしいにも程があんのよ。

あの子が何かしたの？あの子が悪いことをしたの？

してないよねぇ？だって天使なんだよ？
神様に仕える身分である天使だよ？

そんな子が悪いことをするの？

あぁもしくは…。

悪魔なおれへの復讐とかぁ？わら
でもさぁ？喧嘩を売る相手間違えてなぁい？わら

悪魔だよ？悪魔に喧嘩なんて売ったらさぁ…ねぇ？


まぁ、何が来ようとも…
『最大限の苦しみ・苦痛をじっくり与えてさ、死んだ方がマシと思わせる』
からいいんだけど、あは、でも絶対殺さないけどねぇ？

生きたままにしなきゃ、ソコは。
死んでしまいたいと思っても死ねない、そんな死ねない苦しみを味わってもらおうねぇ？

痛い苦しい辛い、たーんと与えてあげるよ。
だっておれ、天使みたいな優しい顔してるけど悪魔だもん。

天使に心を奪われてもさ、根は悪魔だもん。


しかもこの子は悪魔に好かれたかぁいい天使だよ？
…そりゃ手を出そうものなら、どんな報復が待ってるのか、夢だからって侮ったぁ？


おれがさ、どんな想いでこの子を自分のモノに出来たのか知らないでやってんのかぁ。

それはそれは、酷い話だなぁ。

ふふ、まぁ奪わせはしないけどねぇ？


深「おれが守ってあげるからね」


あどけない寝顔を見つめながら零したひとりごと。
1度時計を確認し、まだ時間があることに気づいたので眠り姫を抱き寄せて再び目を閉じた。

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