重い先輩と心配しすぎな後輩

62（Fukazawa side） ページ19

許さない、許さない許さない許さない許さない。

おれからAを取り上げようとするひかるも、面白おかしく話を広げるなべも。
何より…抵抗すればいいのに容易くひかるに引っ張られておれから離れたAも。


岩「よし、しょーた。ふっかの相手を頼んだ」

渡「はぁ！？なんでだよ！めんどくさいって！」

岩「しょーたなら分かるだろ。今のふっかは何をしでかすかわかんない」


はは…分かってるんだ。
じゃあさ…そうならないためにやることなんて、1つしかないんじゃない？

ひかる？分かってるよね？


深「…ひかる、Aを返せ」

岩「ダメ。頭を冷やせ」

深「うるさい…説教なんてされる筋合いはない。いいからおれのかぁいい天使を返して」


全身を駆け巡る血液が沸騰しそうになる。
頭がおかしくなりそう、無性に…暴れたくなる。


深「返せ」

岩「ダメだ」


力強く言い残すと、かぁいい天使を連れて外へと出ていってしまった。

追いかけなきゃ、Aを取り戻さなきゃ…。
待ってて…おれが助けてあげるから。

走ろうとすれば、抑え込まれる身体。


深「離せ」

渡「今のお前じゃAを傷つけることしかできねぇだろ。それは…アイツの兄代わりとして絶対に許さん」

深「はっ…兄代わり(・・・・)…ねぇ？」


なんでみんな、おれたちのジャマばかりするの。
愛し合ってるんだよ？なんで？


深「離せ」

渡「無理。俺はAを守りてぇから」


は？何言ってんの？
おれがAを守ってるんだよ？
彼氏としてストーカーとしてあらゆる外敵から守ってんのはこのおれ。


深「ジャマモノは皆許さない」

渡「ダハハ！」


何がおかしいのかなぁ。


渡「やっぱ…お前に預けたのは間違いだったな。お前が変わろうとしないなら、俺がAを奪ってやるわww んで、二度とお前には会わせない」


ふふ…ふはは…あははは！
じゃあおれも対抗しないと。

あ、あったあった。
よかったよ、お気に入りのパーカーを着てて。

ポケットに入れてたんだよねぇ。
ほら、物騒な世の中だし？


身を捩り一瞬の隙をついて、なべの項にスタンガンをあてる。抵抗しようとしてたけど勝てるはずもなく、気を失って簡単にその場に崩れ落ちる。

これでAを守る？…笑わせないでよ。
なべには無理だよ、ふふ。


深「なべのバーカ♪」


パパっと手足を拘束してと。

ふふ、さぁて…かぁいい天使を捕まえなきゃ。
おれの腕の中に…取り戻して閉じ込めなきゃ。

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