幸せの見つけ方 (ページ6)

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シナモンに似た人と別れて、教えてもらった通りに行ってみるとしっかり保健室へと到着することができた。

こんな窪みにあるとか分かるわけないわ…なんて悪態をつきながらも扉を3回ノックする。

柔らかな声で「はーいどうぞ〜」と返事が聞こえたので、ドアノブに手をかけてゆっくりと開ける。

俊「姫待ってたよ！」

満面の笑顔で出迎えてくれたのは勿論としくん。

「流石に学内で姫呼びは…w」

俊「あ、そっか！w ごめんごめん」

さぁ入って入って！と言われて中に入る。
視界に飛び込んできたのは綺麗なガラステーブルとフカフカのグレーのソファ。
ガラステーブルの上には小さなサボテンが置かれている。

俊「そこのソファに座ってていいよ、今ハーブティーいれるから」

言われるがままにフカフカのソファへ腰を下ろす。

俊「今日はいい天気だね〜」

「そうだね」

俊「Aの心も今日みたいな青空にしてあげられたらいいんだけどね♪」

としくんの優しくて暖かい声は冷えた心にすっと入り込んでくる。
なんでこの人はこんなに…。

「うん…」

俊「でもゆっくりと前に進めてるから、焦らずにね？」

「ありがと」

俊「どういたしまして♪ はい、ハーブティーだよ」

目の前に出されたティーカップから香るハーブ。
これは…カモミール…かな？

「ありがとう」

俊「じゃあカウンセリングの方始めるね」

「はい」

隣にいた何だかよくわからない動物っぽいぬいぐるみをぎゅうと抱きしめる。
それを見ていたとしくんはなぜだか眉をさげている。

「なに？」

俊「ううん、なんでもないよ。さっ、始めるよ〜」

今笑われた？なんでだ？

ぎゅうと抱きしめながら、このぬいぐるみの残り香はどこかで嗅いだことのあるもので…なんだか懐かしい香りだった。