36（T side） ページ37
師匠…あ、深澤くんのことで前から思っていたことがある。
だけど俺1人では答えを出せないから、バイトの休憩時間を使って岩本くんに聞いてみようと思った。
樹「先生、深澤くんってAのこと好きなんすよね？」
照「あー、まぁ」
樹「先生は深澤くんのことめちゃくちゃ知ってるじゃないですか」
照「まぁそれなりにね」
樹「なんで、Aのことを見る深澤くんの目はいつも悲しそうなんすか？」
直球で聞けたかなと思う。
オブラートに包んで聞くことも出来たけど、深澤くん本人に聞いてるわけじゃないからいいだろうと思った。
岩本くん、一瞬目を逸らしたってこと理由を知ってるけど俺から話していいのか分からないって意味合いなんだと俺勝手に受け止めちゃいますよ？
照「付き合ってたから、かな」
あーやっぱりそんなことだろうとは思って…って今付き合っ『てた』って言ってた？
過去形じゃん。
樹「じゃあ別れたんすか？」
照「お前直球すぎるw」
樹「…なんか訳ありって感じっすね」
照「その勘の良さをここで発揮すんなよw」
笑いながらツッコまれる。
樹「師匠って元から持ってる優しさと面白さで、自然と人の輪の中心にいるじゃないですか。
それにリア恋という言葉を本人は無意識なんでしょうけど、簡単に体現できる人ですよ？
皆が望んだ自分でいてしまうからこそ、隠れた本心はどこにあって何を考えているのかなんて全く分からない。
そんな人がAを見つめるだけで、Aの話をするだけで簡単に顔に表情が乗ってしまうってことは、深澤くんにとってのAは『特別な存在』ってことっすよね？
岩本くんならそんなこと気づいてますよね？」
無言の岩本くんに少々の圧を感じる。
ってか驚きの目で見られてる？w
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作者名：mimo | 作成日時：2023年2月11日 0時
