24（W side） ページ24
ふっかが過呼吸を起こした。
こんな弱ってる姿、恐らくあの日以来みていない。
いや、あの日は弱っていたのを俺に気づかれないよう隠していたんだろう。
俊「だんだん落ち着いてきたかな？普通に呼吸できる？」
辰「ｽｩｰ…ﾊｧｰ」
俊「うん、大丈夫そうだね。落ち着いたならカフェオレ1口飲みな？」
照「はい、ふっか」
照がふっかの手にカフェオレの入ったカップを持たせるんだけど、照相当心配なのか一緒に握ったままカップを口へと運んでいた。
照「へーき？」
辰「うん、ありがとな」
俊「別の日に話した方がいいかな…？」
照「…ふっかはどうしたい？」
恐らく、照個人の意見は別の日にこの話しを持ち越し。
俺だってそう、ふっかが過呼吸を起こしたということはこの話はもう少し傷が癒えてからがいいと思う。
辰「俺は聞きたい」
その目は真っ直ぐで力強かった。
辰「それに、俺が原因でこんなことになってる訳だから自業自得みたいなもんじゃん？俺が自分で乗り越えないとこれ」
いつものふっかだ。
こういう時に精神的支柱、って言葉が良く似合う男。
照「ふっかがそう言うなら俺は何も言わない。ただ無理だけはすんなよ」
翔「何かあってからじゃおせぇーしな」
辰「照…しょーた…」
俊「わかった、じゃあ話は続けるけどキツくなったらちゃんと言うんだよ？」
辰「はい」
宮田くんから教えてもらった話。
・Aは出会った人を簡単にまとめたノートを持参
・切ってる時はほとんど記憶が無い
・香りの記憶はかすかにある
とかなんとか。
香りの記憶ってなんだそりゃ。
辰「香りの記憶って？」
あ、やっぱふっかも気になったんだ。
俊「ウインディのぬいぐるみあったでしょ？」
辰「あーありますね」
俊「A、あれを抱きしめて言ってたんだよ。
『この香り懐かしい』って」
辰「…？」
俊「あれさ、ふっかーが抱きしめてた時間が長かったから残り香がたぶん移ったんだと思う。カウンセリングはふっかーにウインディを見せた日のあとだから」
えっとつまり…？
照「つまりどういうことですか？」
俊「Aはふっかーたちのこと完璧に覚えてない、という訳では無いんじゃないかな」
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作者名：mimo | 作成日時：2023年2月11日 0時
