Skill (ページ12)

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【H.N side】

おれと櫻井で6人席を綺麗にし、そこに坂本くんが作ったアップルパイが運ばれてきた。
とっても美味しそうな焼き上がり。
しかし、そこでおれは飲み物がないことに気づき他5人に「ラテ飲む人いる？」と尋ねた。

すると5人揃って「飲む！(飲みます！)」と。

その様子を見たおれは、このカフェに設置されているエスプレッソマシンの目の前へと行く。
このカフェではおれが主にコーヒーや飲み物を担当している。
坂本くんの負担を減らすためってところかな。

それに、能力の都合上おれは手袋を外す訳にも行かないから(笑)

早速おれは大事な『エスプレッソ』を抽出する作業を行う。
まず『電動グラインダー』で豆を挽いていく。
この器具で豆は非常に細かく挽かれる。
エスプレッソに用いる豆は非常に細かく挽く必要があるのだ。

挽き終えた豆を適量詰めた後に『タンピング』という豆を押し固める作業を行う。
この作業は豆がどれだけお湯を通りやすくするかを調整するためのもの。
強いとお湯がスムーズに落ちないので濃いエスプレッソに、弱いとお湯が通り過ぎて水っぽいエスプレッソとなる。

この作業が出来るのがまずおれしかいないので、必然的にラテ担当みたいなところがある(笑)

終わったらポルタフィルターをセットして、エスプレッソマシンを動かす。
抽出し終わったら、ミルクのスチーミングを行っていく。
高温の蒸気でミルクを温めて泡立てていく作業だ。

スチームノズルを一旦空ぶかしさせて、ピッチャーに入っている冷たいミルクの底へと沈める。
対流が落ち着いてきたら表面付近まで上げて、空気を取り込ませる。
泡立ったら再び沈めていき、細かな泡を作る。
約60度となったときに、ノズルを抜く。

そして出来上がったラテに絵を描いていくのだが…おれは正直絵が苦手だから描く場合は飲む人に任せている(笑)

「ラテアートにする人はぁ〜？」

おれがそう聞くと、井ノ原と大野が手を上げた。
2人分の竹串をトレーに追加でのせて、テーブル席へと向かった。