Skill (ページ11)

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【M.S side】

アップルパイがいい感じに焼けていた。
アップルフィリングを一晩置いて、含まれている水分をしっかりと切ることによって、『サクッ』と焼き上がるのだ。

焼き上がったアップルパイを均等に切り分けていると、カランコランと音を鳴らしてカフェの扉が開いた。
どうやら、井ノ原と岡田が来たようだった。

いつものカウンター席にすわる。
井ノ原は俺の切っているアップルパイをみて「うわぁぁぁ！アップルパイじゃん！」と嬉しそうにしている。

「食いたいやつは手を上げろー」

俺が声をかけると、その場にいる者全員が手を挙げた。

博「坂本くんのアップルパイが美味しいのはみんな知ってる事だからね♪」

相変わらず、コーヒーミルを回している長野だがこいつはかなりのグルメで食いしん坊。
まぁ、こんな状態になってからは前ほど食べ歩いてはいないけどな。

翔「あ、じゃあここ掃除しますね。」

櫻井が6人用のテーブルを綺麗に磨き始めた。
それを見た長野もまた「おれも手伝うよ♪」と回していたコーヒーミルを放置して、その席へと向かう。

准「大野はさっきから何を描いてるん？」

岡田は絵を描いている大野の隣に座る。
大野は岡田が来た瞬間にスケッチブックを隠し「見せねぇよ！」と(笑)

准「なんだよー！みせろよー！」

智「まだできあがってないからダメだって！」

この2人、同い歳だから仲がいいんだよな。
よく2人でどっかに出かけてるくらいだしな。

そんなことを考えながら、俺は切り分けたアップルパイを白いお皿に移す。
そして、トレーに乗せて長野と櫻井が綺麗にしてくれたテーブルの上へと置いた。