The One (ページ17)

今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:18,217 hit

③ ページ17

【H.N side】

『だけど、偶然だね。こんな所で会うなんてね。今朝、ゴミ出しであったばっかりなのに(笑)』

おれは向かい側に座った彼女に話しかけた。
彼女は「そうですね、びっくりしました(笑)」と笑いながら返した。

快［Aちゃんってさ、誰か好きな人いないの？？］

おれは井ノ原の質問で水を吹き出しそうになった。
おいおい、お前は初対面の人になんてことを聞いてんだよ(笑)

A「好きな人…ですか？」

彼女が真面目に答えようとした時、〈無理しなくて大丈夫だから(笑)〉と坂本くんが気遣っていた。
でも井ノ原は気になるらしく［いるの？いるの？］と聞いてくる。
彼女は何かを決めたような顔をして話し始めた。

A「恋愛ではいないですけど、応援しているという意味で好きなのは…V6さんです(笑)」

あぁ、V6が好きなのか…。
ってはい！？
そうなっていた時、井ノ原や坂本くんも…

快［あぁ、V6ね…ってえ！？！？］

昌〈そう言ったよな…？〉

そんな話、昨日の挨拶でおれ聞いてない(笑)
びっくりしすぎて、ラーメンを食べようとした瞬間、麺がスープにポチャンと落ちていった。

A「あの…(笑)」

不安になったのか、彼女は心配そうに尋ねてくる。

『あぁ、ごめんごめん(笑)』

快［え、じゃあおれたちのファンってこと？］

A「はい！」

知らなかった(笑)
こんなことってあるんだね(笑)

______________________________

【M.S side】

長野の隣に引っ越してきたという彼女は俺たち「V6」のファンらしい。
俺と井ノ原はビックリしたけど、まさか長野までビックリするとはな(笑)

〈引っ越してきたとき、そんな話にならなかったのか？〉

俺は長野に聞いてみた。
すると『一切ならなかったよ(笑)』と笑いながら返してくる。

A「引っ越しの挨拶早々、そんなこと言われても困るかなと思って…」

彼女のなりの配慮ってことか…。
いい子じゃねぇか…。

そう思った時、長野は彼女に『そっか、じゃあこれからはどんどんおれたちに話してね♪』と笑顔で言った。
俺も〈だな。俺や井ノ原と会う機会があるかはさておき、長野には話してくれると助かる。〉と返し、井ノ原も［そーそー！なぁーのくんから聞くから！］と。

彼女は嬉しそうに微笑んで「はい！ありがとうございます！」と答えた。