桜色桜風 (ページ8)

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④ ページ8

『紫色の薔薇…』

僕はあの光景を忘れられずにいた。
あそこにいたという記憶がなくても、綺麗だと直感的に感じたから。

『こういうとき、運良く日記に書いていればな…』

僕はそこまで期待をせずに、日記をパラパラとめくっていた。
あるわけないという思いが100％占めていた時、日記の1番最初のページからなにかがヒラヒラと床に落ちた。

『ん？なんだこれ』

僕はゆっくりそれを親指と人差し指で拾い上げた。

『これは…？』

拾い上げても、それが何か僕には検討がつかなかった。
というか、そもそも日記にこんなものを挟んでいた記憶もないし…。
でも、何故だろう。
どこか見覚えのある気がしてならない。

『とりあえず、今日はもう何も考えない方がいいよね…』

僕は、ホットミルクの入ったマグカップとクッキーを乗せたお皿を空にしてキッチンに持っていき洗い物をした。

そして、寝室から毛布を取ってきて、ソファで軽く仮眠とることにした。