桜色桜風 (ページ7)

今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:5,297 hit

③ ページ7

ホットミルクを楽しんでいた時、突然ボクの頭の中に映像が流れた。
この感覚は…何かを思い出すときだ。

『は、じまった…』

僕は少しだけ痛むこめかみ付近を軽く抑えながら、マグカップを一旦テーブルに置いた。

この痛み、いつまで続くかはその日次第のためマグカップを落とさないように配慮したのだ。

その最中も僕の頭の中には映像が流れ込んでくる。

『これは…』

僕が見た映像。

それは一面が紫色の世界に立っている僕自身だった。
恐らく『紫色の薔薇』だと思う。

僕は紫色が好きではある。
何でかと聞かれると答えられないけど(笑)
ただ、紫色の薔薇で覆われている場所になんか僕は行ったことは無い。

だとしたらこの記憶。
僕が記憶を失う前の記憶ということになる。
だけど、なぜ薔薇の中に僕はいるんだろう。

それだけが疑問だった。
考えてる間にこめかみの痛みはおさまった。
僕は再びマグカップに手を伸ばし、少しだけ冷めてきたホットミルクを1口飲んだ。

一度見てしまえば、連続して記憶が流れ込んでくることがないと僕は知っているから。

今回に関しては思い出すというよりかは、余計に謎が増えて、後味が少し悪いかな(笑)