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8:My left hand ページ8

そろそろ昼休みが終わりを告げようとしていた時だった。
ここの美容室のオーナー兼先輩美容師が汗だくで休憩部屋へと入ってきた。
誰がどう見ても何か起きたってことは分かる状態だった。




先「あぁ、いたいた、はぁ、はぁ。さがし、たよ、、」



剛「先輩、どうしたんですか?ってか俺を探してたって今…」



先「剛!」



剛「あ、はい」



先「また、はぁ、頼んでも、いいか?はぁ、はぁ、」



剛「はぁ…。今度は何をお探しですか(笑)」



先「オレの知り合いで、3か月前から母親が行方不明になってるやつがいるんだ。そいつはすぐに帰ってくると思ってんだが、明らかに帰ってくる気配はないし連絡もないからよ…」



剛「…なるほど」



先「一応、そいつの母親が大事にしていた鏡を持ってきたんだが…頼んでもらえないか?」



剛「まぁ、いいですよ(笑)今度、何か甘いもの奢ってくださいね(笑)」



先「分かってるよ(笑)助かる、ありがとな!」




俺は先輩からその『鏡』を右手で受け取った。
目を閉じて呼吸を整えてから、左手でそれに触れる。




しばらくすると、俺の脳内には2種類の映像が流れてくる。



1つ目はここからそう遠くない花屋
2つ目は手首に包帯をまいてる女性の姿



俺はそこで目を開けた。
そして見えたものを先輩に話した。




先「ってことは、その花屋に行けば何か分かるってことか?」



剛「だと思います」



先「なるほどな。剛、ありがとな!今度チョコムースでも買ってくるから!」



剛「いえいえ、あ、よろしくお願いします(笑)」




そういうと、先輩は部屋から出ていった。



俺は今みたいに人探しを頼まれることが多い。
理由はこの左手のせい。
俺の左手は探したい人が持っていたものに触れると、どこにいるかのヒントを教えてくれるのだ。





俺は自分のためにこの手を使ったことはねぇけどな。

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作者名:Mihiro | 作成日時:2019年1月25日 19時

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