黒薔薇 (ページ23)

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「はぁ…」

仕事中にも関わらずため息をついてしまった。
原因は…ココ最近見ている夢のせい。
お菓子を作る時まで、この夢のことが脳裏をよぎるって…相当なことだよね…。

ボーッと考えてしまった時…

「…あちっ！」

今作っているのは、このお店でとても人気のある『クリームブリュレ』。
そして今やっているのは、上に満遍なく散りばめた『ブラウンシュガー』をバーナーを用いて程よく焦がしていく、というもの。

そこで、バーナーの火が左手に当たってしまったのだ。
久しぶりに怪我をしたなぁと思いながら、水道水で冷やす。

すると運悪くパパがやってきてしまった。

パ「A〜、どうだぁ？」

どうやら、火傷には気づいていないようでほっとひと安心。

A「今から焦がしていくところだよ〜」

パ「そうかぁ。くれぐれも、火傷には注意するんだぞ？バーナーは危険なんだからな？」

A「分かってるよ笑」

そう返すと、パパはうんうんと頷きまたフロアへと戻っていった。
正直、嘘をつくのが下手なのでごまかせていたのかは自信が無いけど…。

バレてなさそうだから安心安心。
それに、火傷の方も大したことはなさそう♪

私はまた作業台へと戻った。