黒薔薇 (ページ12)

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④【G.M side】ページ12

俺は先輩からの頼み事(＝人探しな)を手早く終わらせた。
そろそろ昼休憩が終わる時間。

そんなときにスマホの画面に1件のメールが受信されていた。
送り主は俺がよく通ってるスイーツ店。
あぁ、そうそう、この店って常連の中でも通ってる年数が長い人にはメールで新作情報やオススメスイーツ等の情報をくれんだよな。

さっきまで食ってたモンブランもこの店で購入したもの。

俺は受信されたメールの内容を確認した。
どうやら新作情報のようだった。
本文の1番上にはこう書かれていた。

新作！『娘のタルト・オ・シトロン』

タルト・オ・シトロン…
あぁ、レモンタルトだっけ？
ってか『娘の』？

もしかして、娘さん帰国したってことかな？
そういやこの店のオーナー夫妻には、一人娘がいると聞いたことがあった。
フランスだかどっかに修行とかなんとか…

『食いてぇ〜。』

俺はそう呟いていた。
あれ、そういや今日は…あ、そうか。
16時には上がらせて貰えるんだった。
帰りに寄って行くか。

俺は楽しみができたと思いながら、残りの約4時間の仕事を頑張ろうと決めた。

だけど俺はこのときまで知らなかった。
彼女の作るスイーツには不思議な力があることに。

そして、俺自身まさかここまで…

『彼女に溺れてしまうなんて』