�� ページ29
おれはいつもの公園に向かって歩いていた。
いつもの公園とは、昔坂本くんと井ノ原の3人で『ここは、きょうから俺たちの秘密基地だぁ！』とか言って遊んでいた場所。
まぁ、思い出がたくさん詰まった公園なんだよね(笑)
しばらく歩いていると、さっきまで晴れていた空がおれが向かっている方角からだんだんと『灰色』に染まっていた。
『灰色』は今のおれたちにとっては、不吉の象徴でもあるから個人的には好きではない。
15年前、Aがいなくなってしまった日がまさにこんな『灰色』の空だったから。
そんなどんよりとした気持ちで向かう羽目になった。
3分ぐらい経った時、向こうからこちらに向かって歩いてくる人がいた。
紛れもなく、その人は坂本くんだった。
坂本くんも、きっとあの日を思い出したんだと思う。
だって、おれと同じようにどんよりとしている顔つきだったから。
「坂本くん…。」
おれはそっと声をかけた。
すると、多分だけど優しく声をかけた理由を悟ったのか坂本くんは「あの日、思い出しちまうよな、こんな天気だと…。」と返してきた。
「そうだね…。」
おれもそれに同意した。
事実、坂本くんと出会うまで思い出していたから。
「それでどうかしたの？」
いつまでもこのしんみりと空気でいるわけのも行かない。
おれは本題を話してもらうために、坂本くんに尋ねた。
坂本くんは持参していたトートバッグから、スケッチブックだろうか…それを取りだした。
あ、このスケッチブックって小学校のときのじゃん(笑)
まだ捨ててなかったんだね(笑)
そして目的のページを開いておれに見せてきた。
そのページに描かれていたのは、海岸の絵だった。
「この絵は…？」
おれは坂本くんにそう尋ねた。
すると、坂本くんは「信じるか信じないかは長野の自由だ。」と前置きをしてから話し始めた。
昌「あいつが…Aが俺の夢の中に出てきたんだ。んで、この海岸で会ったんだが…。」
「ちょっと待って。夢の中にAが現れたってことは生きてるの？死んでるの…？」
おれの質問に坂本くんは「わからない」と短く答えた。
「あぁ、ごめん。話を遮っちゃったね。続けて？」
その後、坂本くんは「どこかでみたことあるようなこの海岸に行けば、会える気がするんだ」と言っていた。
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すず(プロフ) - 2023年、この思い届くことはないと思いますが、続編待ってます！ (9月17日 19時) (
レス) id: 215221ab55 (このIDを非表示/違反報告)
Mihiro(プロフ) - 茉央さん» ありがとうございます！大学が試験期間のため、遅くなってしまいますが更新を引き続き楽しみにしてくださったら嬉しいです！ (2019年2月3日 5時) (レス) id: 8d8b45888e (このIDを非表示/違反報告)
茉央(プロフ) - 楽しく読んでますこれからの続きが楽しみです。 (2019年2月1日 9時) (レス) id: a456377379 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mihiro | 作成日時：2019年1月21日 3時
