ちぎれた翼

25：（マサside） ページ25

今、俺が何気なく鼻歌で歌っている曲。
これはあいつが…。
彼女がよく歌っていた曲だ。
今でこそ、この曲は「俺のオリジナル」と言われているけど実際は違う。


彼女が俺やヒロのに向けてよく歌ってくれていた曲だ。
あの日、教会で彼女が歌っていた曲もまさにこの曲だった。


『ダメだとわかっていながら好きになっちまうなんて…。人間と同じじゃねぇか…。』


できることなら、彼女と一緒にいたい。
何年も片思いというのは俺だって辛いから。


ヒロ「マサ？また考えごと？？」


気づくと俺を心配そうに見つめるヒロが隣に座っていた。
隣に座っていることに全く気付かないとかやべぇな(笑)


『え。あ、まぁそんなとこだな(笑)』


俺はこいつに嘘をついても見破られるだろうなと思って正直に認めた。
すると、ヒロもそれを感じ取ったのか「嘘つくかと思ってた(笑)」と言われた(笑)
ま、まぁ一番の理解者だから仕方ねぇか。


ヒロ「“掟”がなければ…って僕も思うよ。多分そのせいで苦しんでいる天使たちがいっぱいいるから…。」


ヒロは俺と目を合わせずにつぶやく。
俺と違って、他の天使たちの話も聞いてるこいつがそんなことをつぶやくということはこの天界には少なくとも『不満』が眠っているってことなのか…？

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