赤いヒヤシンス～part2～ (ページ7)

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57（おまけ：優しい人？）① ページ7

【Aside】

何であんなに優しいんだろう…。
私は後ろからソファでスヤスヤと眠っている彼のことを眺めていた。
この人はいつも優しい微笑みを浮かべて、私のことを見てくる。
それは嬉しいんだけど、いつも笑顔だから本心が全くわからないのだ。

私は彼の正面に周り、チョコんと床に座り寝顔を眺め始めた。
年上だけど、寝顔はどこか幼さが残っている。
お風呂がまだのため、髪の毛もフワフワ。
そしてまつ毛が少し長いことがよく分かる。

しばらく眺めていると、突然寝ているはずの彼がソファから降りて私に腕を伸ばしてきた。
「えっ？」と私が反応した時には既に後ろから首とお腹に手を回されていた。

『人の寝顔見てどうしたの？』

明らかに寝ていた人の声ではない気が…(笑)

「起きてたの！？」

『ずっと起きてたよ？』

は、恥ずかしく死んでしまいたい…。
そう思った時、耳に『ふぅー』と息をかけられた。
ビクッと反応すると、『かわいいな…』と言ってくる。
たまーに優しくないんだよね(笑)

「耳いやだ…」

『じゃあ、どこならいいの？』

そう言って、首に回していた手を鎖骨あたりに滑らせてゆっくりと優しく撫で始めた。
擽ったくて身をよじらせようとするけど、お腹に手を回されているので中々動けない。

『逃げちゃダーメ』

やっぱり今は優しくない(笑)
ただの意地悪グルメだ(笑)

『かわいい反応ばっかりして…。』

そう言いながらずっと鎖骨あたりを撫でている。
時折、鎖骨の窪みにも指を滑らせてくるため擽ったさがピークを迎える。

「もうダメです！」

私はたまらず大声で叫んだ。